意味と由来の短い答え
シェイクスピア作品が辞書の最古の引用になっていても、本人がその語を発明した証明にはなりません。「1700語を作った」という数字は、何を造語として数えるか、どの資料を調べるかで変わります。
シェイクスピアは1700語もの英単語を発明した――そんな話を聞いたことがあります。でも、ある作家の作品が辞書で最も古い用例として引用されていることと、本人がその言葉を最初に作ったことは、本当に同じでしょうか。この話を追うと、辞書を作る人たちが過去の言葉をどう探してきたかという、もう一つの物語が見えてきます。
シェイクスピアは本当に1700語を作った?結論を先に
結論から言うと「シェイクスピアの言語的な創意は重要」ですが、「最古の用例が見つかった=彼が発明した」とは言えません。1700という数字には、既存の語の新しい使い方や、新しい接辞を付けた形をどこまで含めるかという問題があります。面白い数字だけを覚えるより、「何を数えた数なのか」を理解した方が語源の誤読を防げます。
OEDの「最古の引用」は発明者を証明する?
OEDなどの歴史辞典は、言葉の意味を説明するために古い本や文書を調べ、使われた実例を年代順に集めています。ある単語の欄にシェイクスピアが最初の引用として登場しても、それは辞書編纂時に確認できた古い文献の一つです。同時代の手紙、帳簿、失われた演劇、口頭会話にさらに古い使用例があった可能性まで消しません。「最初の引用」は最初の発話者の証明ではありません。
1700と1614は同じものを数えた数字?
OUPのEdwin Battistellaによる2016年の記事では、OEDでシェイクスピアが最古の引用となる項目を検索し、1614件という結果が出たと報告されています。これはその時点の検索結果で、本人の発明を一語ずつ証明して数えた結果ではありません。「1700語を発明した」という話と比べる前に、語義や新しい形を含むか、何を造語と判断するかを確かめる必要があります。数字だけから1700を確定したり、完全な嘘としたりはできません。
Break the iceの先行例から分かること
Break the ice には、シェイクスピア以前の1579年に「先に道を切り開く」という比喩の記録があります。現在の「場の緊張をほぐす」という用法と同じ意味だった、とも言い切れません。語の形、使われた意味、作品の年代を別々に見ることで、有名な作家の名前だけから発明者を決める誤りを避けられます。
なぜシェイクスピアの記録が辞書で目立つのか
シェイクスピアの作品は大量に読まれ、研究され、辞書編纂者からも特別な関心を持たれてきました。すると、そこに残る用例は見つけやすくなります。OEDの引用資料の偏りを調べる研究では、こうした記録の不均衡が問題にされています。これは彼の文学的な価値を否定する話ではありません。偉大な作家を研究することと、そのすべての言葉の発明者として扱うことは別なのです。
文学作品から生まれたことが確かな表現を調べる
では、文学作品から言葉が生まれたと確かめやすい例は何でしょう。1961年の小説『Catch-22』は、作品題名が「制度的な矛盾」という一般表現へ広がった道筋を追いやすい例です。Serendipity も、1754年の書簡で作者がどの物語から作ったかを説明した例です。「その作品が最古の引用」と「作者本人が造語について説明した」の違いを比べると、根拠の重さが分かります。
- 確かめられる数字
- OUPの2016年記事で報告された1,614件は、著者が当時行った最古引用の検索結果です。
- 数字が証明しないこと
- 一つ一つの語を本人が最初に考えたという事実。新しい用法や語形、普及への貢献も区別します。
語の発明について英語で説明する
語源について話すとき、記録が示すことを短く説明する例です。
場面に合わせて変えられる例文
The earliest quotation isn’t proof that the writer invented the word.最古の引用は、その作家が言葉を発明した証明にはならない。
earliest quotationとinventedを区別し、「辞書で見つかった」と「誰が作った」を別の文で言ってみます。
本文を見ずに考えてみる:辞書の先頭に作家の名前があれば、その人が発明者と決めてよい?
考え方と答えを確認する
決められません。確認された最も古い資料の一つであることと、最初に言葉を作った人物であることは別です。資料の残り方や調べられた範囲によって、先行例があとから見つかることもあります。
由来を確かめた資料
- Oxford University Press:Shakespeare’s linguistic legacy — Edwin Battistellaによる2016年の検索と語形成の説明
- Examining the OED:1500–1699 — 辞書の引用資料の偏りと調査範囲