チャンクは、まとまりとして使う表現

会話では、語を一つずつではなく、まとまりとして使うことがあります。形が決まった表現や、一部を入れ替える枠があります。読解のために区切った部分が、すべて定型表現になるわけではありません。

単語の意味は知っているのに、話そうとすると一語ずつ探してしまう。そんなとき、Could you …? や by the way のようなまとまりに目を向けると、文の出だしを用意できます。英語学習でいう「チャンク」は、このような語のまとまりを考える言葉です。

チャンクは、一緒に使われる語のまとまり

チャンクには、形がほぼ決まっている表現も、一部を入れ替えて使う表現もあります。「短い英文なら何でもチャンク」とするより、どの語が一緒に使われ、どこを変えられるかを見ると、学習に使いやすくなります。

たとえば by the way は、話題を変えたり、話を付け加えたりするときの「ところで」。三語を別々に訳すより、このまとまりが会話で何をするかを覚えると役に立ちます。

固定した表現と、入れ替える枠を比べる

固定して使う部分
by the way
後ろを入れ替える枠
Could you …?
語の組み合わせ
make a decision

Could you say that again? は、もう一度言ってもらう依頼です。Could you speak a little more slowly? なら、少しゆっくり話してほしいという依頼になります。

同じ Could you でも、後ろを丸ごと好きな語に替えればよいわけではありません。ここでは後ろに動詞の原形が続きます。まとまりを覚えることと、文法を確かめることは一緒にできます。

コロケーションやイディオムとは、重なるところがある

コロケーションは、語と語のよくある組み合わせに注目する言葉です。たとえば「決断する」は make a decision。decision だけで覚えるより、どの動詞と組み合わせるかも見ます。

イディオムは、単語それぞれの意味だけでは全体の意味がつかみにくい表現です。break the ice は、人の緊張をほぐして話し始めやすくする場面でも使われます。実際の氷を割る話なのかは、文脈で判断します。

チャンクは広い呼び方なので、こうした表現を含めて説明されます。「チャンク・コロケーション・イディオム」という三つの箱へ、すべてを一つずつ振り分ける必要はありません。分類名より、意味と使う場面、変えられる部分を押さえましょう。

読解の区切りと、会話で使うまとまりを分ける

長い英文を意味のまとまりごとに区切って読むことも、チャンクリーディングと呼ばれます。たとえば I saw him / at the station / yesterday. と分けると、「誰に会ったか」「どこで」「いつ」を追えます。

これは読みやすくするための区切りです。その場で切り出した部分が、そのまま覚えるべき定型表現になるとは限りません。会話用に記録するなら、「どんな場面で、どの形を取り出すか」まで書くと、読解の印と使う表現のメモを混同しにくくなります。

一覧を増やす前に、次の一場面を選ぶ

今週使いそうな場面を一つだけ選びます。「オンラインで相手の声が聞き取れなかった」なら、まず Could you say that again? を候補にできます。

  1. 意味と場面を確かめ、英文を一度声に出す。
  2. 英文を隠し、「聞き取れなかった」とだけ見て言ってみる。
  3. 相手がもう一度言ってくれたら、Thanks, I got it. と返す。

実際には、もう一度聞いても分からないこともあります。そのときは、ゆっくり話してもらう、別の言い方を頼むなど、必要に合わせて変えます。一つの定型文を言えたかだけでなく、相手の返事を受けて次へ進めたかも確かめてみてください。

「聞き取れなかった」から一言を取り出す

相手の話が聞き取れなかった場面を思い浮かべ、下の英文を隠して言ってみましょう。

場面に合わせて変えられる例文

Could you say that again?

もう一度言ってもらえますか?

相手が繰り返してくれたら、理解できたかを確認して返事をします。まだ分からなければ、ゆっくり話してもらうなど次に必要なことを伝えます。

本文を見ずに考えてみる:この文のsay that againをspeak a little more slowlyに替えると、依頼の内容はどう変わりますか。

考え方と答えを確認する

「もう一度」から「もう少しゆっくり話してほしい」という依頼へ変わります。Could youという枠を保ち、必要な動作を替えています。

意味としくみを確かめた資料