共通の語源から、別の道を通った二語
shirtは古英語、skirtは古ノルド語を通って英語に残った語です。さらに古い共通の語源がありますが、現代では別の衣類を指します。
シャツは shirt、スカートは skirt。一文字違いなのが気になったことはありませんか。今は別の衣類を指す二語ですが、語源をたどると親戚関係があります。
shirtは古英語、skirtは古ノルド語の道を通った
shirt は古英語の scyrte につながる語です。一方、skirt は古ノルド語の skyrta が英語へ入ったもの。さらに古い段階へさかのぼると、二語は同じ語源につながります。
- 古英語の道
- scyrte → shirt
- 古ノルド語から入る道
- skyrta → skirt
二つの出発点より前に、共通する語源があります。途中の時代や綴りの細かな変化は省略しています。
英語の中でshirtのhをkに書き替えて、新しい衣類名を作ったという話ではありません。似た語が、異なる言語の道を通って英語に並んだのです。
こんな親戚の組を「二重語」と呼ぶ
同じ語源にさかのぼりながら、形や意味が違う語として一つの言語に並ぶ組を「二重語」と呼びます。shirtとskirtは、受け継がれた語と、別の言語から入ってきた語による例です。
二重語ができる道は一つではありません。同じ語源を持つ語が、別の言語を経由したり、違う時期に入ってきたりする例もあります。二つとも英単語として使われていても、その前に通った道が同じとは限りません。
今のshirtとskirtは、指す服も音も違う
現代の英語では、shirt は上半身に着るシャツ、skirt は腰から下に着るスカートを指します。同じ語源だから同じ服を指す、と考えると取り違えてしまいます。
語頭の音も違います。shirtのshは /ʃ/、skirtのskは /sk/。今使う二語として、それぞれの音と意味を覚えます。
ただし、この一組から「英単語のshをskに替えれば、語源上の親戚が見つかる」という万能の規則は作れません。似た形は調べるきっかけにし、関係があるかは語源欄で確かめましょう。
服の名前から、借用語の入り口が見える
英語が古英語から受け継いだ語を持つことと、他の言語から語を取り入れることは、同時に起こり得ます。shirtとskirtは、その二つの道を身近な服の名前で見られる例です。
語源を知る前は「よく似た二語」。知った後は「別の道を通って、今は違う服を指す二語」。つづりだけでなく、来歴と使い分けが一緒に見えてきます。
今日の服を、二語を分けて言ってみる
シャツとスカートを着ている、という作例です。自分の服装に合わせる場合は、色や服の名前を変えましょう。
場面に合わせて変えられる例文
I’m wearing a white shirt and a black skirt.白いシャツと黒いスカートを着ています。
shirtとskirtの語頭の音を分けて、ゆっくり読んでみます。同じ語源でも、今指している服は違います。
本文を見ずに考えてみる:shirtとskirtは、英語の中でhをkに書き替えて作った組だと説明してよいでしょうか。
考え方と答えを確認する
その説明では経路が抜けています。shirtは古英語、skirtは古ノルド語を通った語で、さらに古い語源を共有します。
来歴を確かめた資料
- 堀田隆一:2重語の分類 — 二重語の分類と、shirt/scyrte・skirt/skyrtaの経路。