やっと英語のメールができた!
会社の休日の連絡をしただけだけど、「ありがとう」とわざわざ返信してくれる方もいてうれしかったな~!
ところで、「Dear 〇〇-san,」ってメールの書き出しでちょっとびっくりしました。
英語メールの"-san"の書き出しって一般的に当たり前の文化なんですか?
私も英語メール書き出しを"-san"で書いてみようかなと思っています。
そうだね。英語メールの"-san"の書き出しは一般的に浸透しているし丁寧な印象がある。ただ、いくつか注意点があるから、正しく認識してもらうために共有しておこう。
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英語メールの"-san"の書き出しって当たり前なの?
そもそも英語メールの"-san"の書き出しって世界共通なんでしょうか?
いや、日本人のビジネスパートナーを持つ海外企業しか使わないよ。
そうなんですね!-sanなんてどこで学ぶんだろう?
日本人とビジネスメールのやり取りをする場合は、「suffix(接尾辞)として「san」をビジネスメールの敬称としてつけるんだよ」とマナーとして紹介されているケースが多いんだ。インターネットでググってみるといろんなブログや企業が説明しているのがすぐに見つかるよ。
日本人とビジネスをする海外のビジネスパーソンは-sanを知っている場合が多いんだ。
でも、もちろん全員が知っているわけではないよ。
書き出しは「San」か「san」か「-san」か
細かい話なんですが、何名かやり取りをしていて気づいたのですが、人によっては
- 〇〇 San
- 〇〇 san
- 〇〇-san
という感じで3パターンありまして・・・どれが正しいんでしょうか?
英語の文法的にいうと、-sanが一番正しいね。なぜなら、一つの単語として認識するためには、suffix(接尾辞)である必要があり、その形式は「-san」だから。
〇〇 Sanだと2つの単語で大文字始まりなので固有名詞になり、「〇〇 さん」さんという名前に英文法上とることができる。
また、〇〇 sanでも2つの単語で、最初が小文字なので「sanという動詞」か何かという風に考えることもできなくはないね。(そんな人いないと思うけど)
だけど!だからといって、常にーsanを使えばいいということではないんだ。
本当に適切な「san」の選び方
ーsanが英文法的に正しいけど、常にーsanを使ったらダメってどういうことですか?
上の話はあくまで英文法上正しいってお話なんだ。英文法上正しいからといって、実際のビジネス英語で適切かどうかは別の話。
本当に適切な「san」の選び方は、相手に合わせることなんだ。
相手に合わせること?
そうなんだ。
つまり、
- 相手が〇〇 Sanでメールがきた→〇〇 Sanで返信しよう。
- 相手が〇〇 sanでメールがきた→〇〇 sanで返信しよう。
- 相手が〇〇-sanでメールがきた→〇〇-sanで返信しよう。
- 相手がsanなしでメールがきた→こちらもsanなしで返信しよう。
こういうことだよ。
なるほど!わかりました!
なんで「San」「san」「-san」の3種類あるの?
そもそもなんで「San」か「san」か「-san」と送ってくる人がいるんですか?
まず大文字のSanはね、メールの設定上自動的に大文字になる場合があるんだ。あと小文字のsanはおそらくハイフンの場所がわからないか、それが正しい表記方法なんだと思っているからだと考えられる。
異文化だから、何が正しいかはわからないしね。
大事なのは、正しさを追求することより、相手の思いやりを意思を汲んで、こちらも思いやりをもって返信することだね。
そうですよね。厳密にいうと、日本語ではほとんど「さん(-san)」ではなくて「様(sama)」の方が正解ですもんね。そこの正しさの追求に意味は全くないですね。
英語メール書き出しの"-san"が失礼にあたるケース
これで私もメールの書き出しで-sanの使い方がわかりました!
この新しい取引先さんから私も-sanをつけてメールしてみます!
いや、それは待った方がいい。失礼にあたる可能性があるよ。
え!?どういうことですか?
初めてメール連絡をする場合
メールの書き出しで-sanをつけるのは悪いことではない。
でも先ほど説明した通り、海外のビジネスパートナーが日本の文化を尊重して-sanをつけてメールを送ってくれているんだ。
しかし、初めてメールをする相手の場合、そのような日本文化があることを知らない場合がある。
自分から初めてメールをするときに"-san"をつけてしまうと、「日本文化の押し付け」になってしまう可能性がある。
複数回やり取りがあっても相手のメールの書き出しに-sanがない場合
複数回やり取りがあっても相手のメールの書き出しに-sanがない場合、相手が-sanを付けることを好んでいない、もしくはそのような文化を知らない可能性が高い。
こちらから"-san"をつけることが、日本人とメールをするときの絶対マナーかのように思われてしまう場合もあるため、自分から"-san"を付けるのは控えた方がいいだろう。
相手が-sanで連絡しているのにこちらがつけない場合
これもたまにやっている後輩がいるんだが・・・
海外の取引先が、メール書き出しに"-san"をわざわざつけてくれているのに、日本人であるこちらがメール書き出しに"-san"を付けずに返信してしまう。
せっかく"-san"をつけてくれているので、こちらも"-san"を付けて返信してあげると気持ちの良いやり取りになるね。
気を付けるべきはただ一つ
-sanが原因で失礼にあたるケースを3つ紹介したけど、対処法はたった一つなんだ。
そうなんですか!1つだけならできそうです!
メールの書き出しで-sanをつける場合は、必ず「相手が-sanをつけてきたら」こちらからも感謝を持って-sanをつけてメール返信する。
言ってしまえばルールはこれだけだ。
相手の気持ちを考えていれば、自然と導き出せる答えだね。
-sanでやり取りする海外取引先ってどのくらいいるの?
なるほどです!勉強になりました!ちなみに、-sanをつけてくれる割合ってどんな感じなんですか?
これは取引先の会社によるので一概にはいえないところだね。
個人的な経験上、50以上の企業とやり取りを日々行っており、担当者の数でいうと100人以上の海外の担当者とメールのやり取りを行ったことがある。
あくまで経験上の話にはなるが、-sanを付けてメールのやり取りをするのは、だいたい20%程度かな?という感じだ。
その中には、Konnichiwa!、Guten Tag 〇〇-san、你好で始める相手もいる。
大事なことは、いつだって相手のことを考えることだ。
まとめ
「-san」を名前につけて返信してくれる海外の取引先は、日本の文化を尊重しようとしてくれているんだ。
その思いやりの意思に感謝して、こちらからの返信も「-san」で返信しよう。
ただし、実際のビジネスメールのやり取りでは「San」「san」「-san」と3種類くらいあり、人によって違うんだ。
そのため、一番おススメの返信方法は次の通りだ。
- 相手が〇〇 Sanでメールがきた→〇〇 Sanで返信しよう。
- 相手が〇〇 sanでメールがきた→〇〇 sanで返信しよう。
- 相手が〇〇-sanでメールがきた→〇〇-sanで返信しよう。
- 相手がsanなしでメールがきた→こちらもsanなしで返信しよう。
そして次のような場合は、メール書き出しに-sanをつけるのは控えよう。
- 初めてメール連絡をする場合
- 複数回やり取りがあっても相手のメールの書き出しに-sanがない場合
こちらから「-san」と送るのは失礼になる可能性がある。
また、次のような場合も失礼にあたる。
- 相手が-sanで連絡しているのにこちらがつけない場合
あくまで相手が日本文化のマナーを尊重しようとして「-san」の書き出しでメールをくれているんだ。気を使ってくれているので、そのときは、頑なに-sanを使わないのではなく、相手が使ってきてくれた場合は、こちらからも必ず-sanを付けて返して差し上げよう。
メールはできるようになるととても簡単で手軽なんだ。
だからこそ、ルーティン化して思考停止に陥りやすい。失礼になっていることに気付けないんだ。
だからこそ、相手の文化も尊重しつつ、感謝を持って良い関係を築こうという意思のあるメールは、相手の心に届きやすくなる。
他のメールと違って光り輝く魂を宿しやすくなるんだ。