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そもそも英語の依頼表現は使い分ける必要があるの?
いろんな依頼表現が使い分けできるようになるメリットはビジネスにおいては次の通りだよ。
- 適切な依頼表現は相手を動かすことができる
- 知的な人の言葉は耳を傾けてもらいやすくなる
- 依頼表現に強弱があると、重要度を明確に伝えることができる
それぞれ少し補足説明していくね。
適切な表現で、相手を動かせるようになる
知的に見られて、依頼時に耳を傾けてもらいやすくなる
依頼表現の強弱が重要度を明確にする
たとえば、全部のメールに「緊急案件!至急発送ください。」と書いて毎回メールをしていると、そのうち普通の納期回答になってしまうよね。
どれも緊急、どれも重要だと、緊急度や重要度の強弱がわからないんだ。
だからこそ、多様な依頼表現を身に着けて使い分けることで、その強弱を表すことができ、緊急度の高いものや、重要度の高いものを優先して回答してもらうことができるようになるんだ。
依頼表現に強弱をつけるからこそ、どれが重要かを明確に伝えることができるんだ。
ビジネスで使える英語の依頼表現・フレーズまとめ
カジュアルからフォーマルになる順番に並べたから、まずはざっとどんな依頼表現があるのか参考にしてみてね。
その後に実際に使い分ける秘伝ともいうべき秘訣があるから、教えるよ。
- Please 動詞の原形.
- We kindly ask you to 動詞の原形.
- We would like to kindly ask you to 動詞の原形.
- Will you 動詞の原形?
- Can you 動詞の原形?
- Can I ask you 動詞の原形?
- May I ask you to 動詞の原形?
- Would you 動詞の原形?
- Could you 動詞の原形?
- Could you possibly 動詞の原形?
- Would you please 動詞の原形?
- Could you please 動詞の原形?
- I am hoping 文.
- Could I ask you to 動詞の原形?
- If you could 動詞の原形, that would be great.
- Do you think you could 動詞の原形?
- Do you think you might 動詞の原形?
- Would you be able to 動詞の原形?
- Would it be possible for you to 動詞の原形?
- I am wondering if you could 動詞の原形.
- I was wondering if you could 動詞の原形.
- I wonder if it is possible to 動詞の原形.
- I would appreciate it if you could 動詞の原形.
- Do you mind ~ing形/if文?
- Would you mind ~ing形/if文?
- Would it be too much trouble for you to 動詞の原形?
- Would you be so good as to 動詞の原形?
- Would you please be so kind as to 動詞の原形?
- Is there any possibility to 動詞の原形?
- Is there any way to 動詞の原形?
- I am happy if you 動詞の原形 if you are too busy, you do not have to.
英語初心者がまず使い分けるべき3つの依頼表現
- Could you 動詞の原形?
- Please 動詞の原形.
- I would appreciate it if you could 動詞の原形.
これらの3つのフレーズを覚えるだけで、誰とでもメールや電話ができるようになる。具体的な使い分けを説明しよう。
基本的に何かを依頼するときはCould you ~?
まずは、基本的に何かを依頼するときは、とりあえず「Could you 動詞の原形?」を使うようにしよう。「~していただけますか?」という意味だね。
失礼にあたることはまずなくなるから安心して使うといい。
ただ、このフレーズの一択だと、いくら丁寧でも語彙力がない人だと思われて教養のない人だと思われてしまう。
そこで、残りの二つを使い分けよう。
事務的な作業を依頼するときは「Please ~」
「Please 動詞の原形.」は「~してください」という意味だね。
相手に「~してください」と聞くと、日本語では丁寧に聞こえるかもしれない。だけど「Please 動詞の原形.」は立派な命令表現なんだ。依頼表現といっても、厳密にいうと、丁寧な命令表現であるということを理解しておこう。
そんな「Please 動詞の原形.」は、事務的な作業の依頼なら使ってOKというか、むしろピッタリな表現方法なんだよ。
事務的な作業の依頼というのは、たとえば次のような連絡をするときだね。
- 注文書をご確認ください。Please find our order sheet.
- 添付資料をご確認ください。Please see attached document.
- ここへご記入ください。Please fill in the blanks.
書類など確認しないと話が進まないような事務的な作業を依頼するときは「Please 動詞の原形.」を使うといい。
逆に、これらの文章を「Could you ~」と言われると、間違いではないけれども、度が過ぎるほど丁寧な印象を与えかねない上に、本当の依頼をするときに、丁寧度合いがぼやけてしまう。
命令表現がゆえに「Please 動詞の原形.」は使わない方がよいと教えている教材も多いけれども、実際のビジネスでは出番が多いし、とてもよく使われる必須のフレーズだよ。
相手に手間をかける場合は、「I would appreciate it if you could~」
- 相手に余計な仕事を与える場合
- 普通しなくてもよいことを頼む場合
- 相手にとって得にならない場合
これらの依頼をするときは「I would appreciate it if you could 動詞の原形.」を使って感謝を示しながら依頼しよう。「~していただけると大変ありがたいです。」という意味だね。
具体的には、
- 価格交渉のとき
- 自社の不良品を送り返してもらうとき
- 何度も何度もサンプル品を要求するとき
などなど、使える場面は山のようにたくさんあるよ。
英語初級者の3大依頼表現まとめ
あれこれ考えると、実務では混乱して言葉が出てこなくなってしまうだろう。そんな場合は、
- 次の3つだけを使用すると決める
・(a) Could you 動詞の原形?
・(b) Please 動詞の原形.
・(c) I would appreciate it if you could 動詞の原形. - 事務的な用件か(a)、お願いか(b or c)を区別する
- どれほど相手に負担をかけるかで使い分ける(負担軽い→b、負担重い→c)
これで的外れになることなく、3パターンを利用することが可能だよ。
これらの3つの表現をスラスラと使いこなせるようになった後に、似たフレーズを徐々に覚えて表現方法を増やしていくのがおススメだ。
表現を絞って繰り返し使うことで、驚くほど身につくようになるから、まずは実践してみてね。
英語中級者が英語の依頼表現で意識すべき「距離感」と「性格」
英語中級者になると、依頼表現を使用するときに2つの軸を追加して考える必要がでてくる。
その二つの軸というのが、相手との「距離感」と相手の「性格」だ。
それぞれ詳しく説明しよう。
相手との「距離感」で依頼表現をかえよう!
上の3つのフレーズを使いこなせるようになったら、その3つを起点として、依頼表現をどんどん広げることができる。
ただ闇雲に表現を覚えて使うのではなく、英語中級者になったらぜひ「相手との距離感」で依頼表現の幅を広げよう。
丁寧さとは相手との距離間のことなんだ。
例:
- トイレにいく→直接的な意味で、丁寧なイメージはない。
- お手洗いに行く→より間接的な表現になる→丁寧なイメージになる。
例:
- 部長はハゲている→直接的な意味で、丁寧なイメージはない。
- 部長の頭は涼しそうだ→より間接的な表現になる→丁寧なイメージになる。
あれ二つ目って丁寧なの?
相手との距離感は、具体的には、次の2つの段階の距離がある。
- カジュアルな関係(親しい関係)
- フォーマルな関係(付き合いはあるがフォーマル or 初めてのやり取り)
カジュアルな関係
親しい関係の場合、最初に使えるようになるべき「Could you 動詞の原形?」を横にスライドさせた、次の表現を使えるようになろう。
- Will you 動詞の原形?
- Can you 動詞の原形?
- Can I ask you 動詞の原形?
- Would you 動詞の原形?
フォーマルな関係
何度もメールのやり取りはしているけど、実際に会ったことはない、といったくらいの距離感の場合、かなりびの場合、これまた「Could you 動詞の原形?」を少し変化させて、次のような表現を使うといい。
- May I ask you to 動詞の原形?
- Could you possibly 動詞の原形?
- Would you please 動詞の原形?
- Could you please 動詞の原形?
- Could I ask you to 動詞の原形?
相手の立場と自分の立場も当然距離感の内に入る。
状況に応じて最適解を導き出そう。
相手の「性格」で依頼表現をかえよう!
単純に相手との距離感だけで、依頼表現を変えていると、必ずといってよいほど、返信が来ない人がでてくる。
それは、カジュアルとかフォーマルとかの問題ではなく、相手の性格によるものだ。
- 忙しいことを理由に返信しないタイプもいれば、忙しくてもきっちりと返信するタイプもいる。
- 仕事を整理して順番に対応していくのが上手な人もいれば、下手な人もいる。
- こちらの依頼を大事に思う人もいれば、そう思わない人もいる。
同じ表現を使っても相手の性格によっては相手が全く動かない場合があるということなんだ。
性格で使い分ける例
例えば、「Could you 動詞の原形?」を使っていても、返事が来ない場合、命令形である「Please 動詞の原形.」に変更してもいいかもしれない。
「Please 動詞の原形.」で依頼するのに抵抗がある場合は、次のような表現も有効的だ。
- We kindly ask you to 動詞の原形.
- We would like to kindly ask you to 動詞の原形.
- If you could 動詞の原形, that would be great.
- I am hoping 文.
上級者は形が違う英語の依頼表現で表現力を倍増させる
上で紹介した基本が理解できていれば、あとは単純に依頼表現の幅を広げるだけになる。
そして、実際に使用してみて、その相手にどれを言えば響くのかを検証して使い分けていく。
まだ紹介していない依頼表現には、次のようなものがある。
「Do you think」型
- Do you think you could 動詞の原形?
- Do you think you might 動詞の原形?
「Would it be」型
- Would it be possible for you to 動詞の原形?
- Would it be too much trouble for you to ~?
「Would you」型
- Would you be able to 動詞の原形?
- Would you be so good as to 動詞の原形?
- Would you please be so kind as to 動詞の原形?
通常would が使えるフレーズはcouldでもほぼ同じニュアンスで表現できるんだけど、「Would you be so good as to 動詞の原形?」に関しては、「Could you be so kind as to」という表現はあまり見かけないね。
「Wonder」型
- I am wondering if you could 動詞の原形.
- I was wondering if you could 動詞の原形.
- I wonder if it is possible to 動詞の原形.
「Do you mind」型
- Do you mind ~ing形/if文?
- Would you mind ~ing形/if文?
Would you mind ~?の方が Do you mind ~?より丁寧な印象だよ。
また、Would/Do you mind ~?系は回答に注意が必要だ。
「mind~?」で「~したら気にしますか?」という意味の文になる。つまり、相手は「してほしくない」場合は、「Yes」で回答がある。
逆に、「OK!」「もちろん良いですよ」と答えるのであれば、「No」を意味する「Certainly not.」 や 「Of course not.」「Not at all.」と回答するんだ。
「Is there 」型
- Is there any possibility to 動詞の原形? ~する可能性はあるでしょうか?
- Is there any way to 動詞の原形? ~していただく方法はありませんか?
おまけ:文頭につけると丁寧になるフレーズ
I’m sorry to bother you, but~. お時間を頂戴して申し訳ないのですが、~
~ if possible. もし可能なら、~
おまけ:ことのついでにしてもらう場合の依頼表現
I am happy if you 動詞の原形 if you are too busy, you do not have to.
おまけ:他の選択肢を検討してもらう依頼表現
次のフレーズは、他の選択肢を依頼する場合の前置きフレーズだよ。
- If A is unlikely, もしAが可能でないなら、
- If it is not likely, もし実現の可能性がないなら、
- If it is not possible, もし可能ではないなら、
- If it is not acceptable, もしそれが受け入れ可能でなければ
- ~ instead? ~の代わりに(※これだけは文末につけること)
次のフレーズを前置きのフレーズの後につけることで他の提案を促すことが可能だよ。
- how about ~ ~はどうですか
- Would it be possible to ~?
- Could you ~
If it is not likely, how about July 5 instead?
もし見込みがないようであれば、代わりに7/5はいかがでしょうか。
まとめ
相手に動いてもらうためには、常に丁寧な表現を使っておけばいいというわけではなく、使い分けはちゃんとする必要がある。
丁寧というのは、言葉使いのことではなく、相手へ気遣いができるということを意味するんだ。言い換えると、言葉使いだけが丁寧で相手に配慮が出来ていない場合、それは失礼にあたるということだ。
- 英語メールのマナーを守っていること
- 普段の対応が迅速丁寧であること
- 依頼を受けてもらった後は必ずお礼すること
これらは、依頼する事前事後の対応のことだけど、依頼した相手に動いてもらえるかどうかに影響する重要な要素だよ。