久しぶりに会った相手が、挨拶と同時に両腕を広げた。ハグはしたくないけれど、会えてうれしくないと思われるのも気になる。そんな瞬間は、No hugs for me, thanks. It’s good to see you.(ハグは遠慮するね。会えてうれしいよ)と、身体に触れることへの希望と挨拶を分けて言えます。
握手ならしたいときは、その希望を提案できます。握手もしたくないなら、言葉や手を振る挨拶だけで構いません。ハグを断る代わりに、別の接触を引き受ける必要はありません。
受ける・握手にする・触れずに挨拶する、一文を選ぶ
国籍や性別だけで、相手がどの挨拶を望むかは決まりません。周りの人がハグや頬へのキスをしていても、自分も同じようにする約束にはなっていません。まず、いまの自分がしたい形を選びます。
| いまの希望 | 英語 | 伝わる内容 |
|---|---|---|
| ハグしたい | Yes, I’d like a hug. | ハグしたいと肯定する |
| 握手ならしたい | I’d prefer a handshake, if that’s okay with you. | 相手もよければ握手を提案する |
| 身体に触れず挨拶したい | I’d rather say hello without physical contact. | ハグや握手を含め、接触を避けたいと伝える |
| ハグだけ断りたい | No hugs for me, thanks. | ハグは受けないと短く伝える |
| 頬へのキスを断りたい | No cheek kisses for me, please. | 頬へのキスはしないでほしいと伝える |
| 今日はハグしない | I’d rather not hug today. | 今日の希望を伝える。次回の約束ではない |
I’m not a hugger.も、「私はあまりハグをするタイプではない」という会話表現です。普段の傾向を説明する言い方なので、いつもは好きで今日は避けたい場合はtodayを使った文のほうが合います。
Maybe later.(あとでなら)を、断るためだけに付け足さなくても大丈夫です。あとでハグしたいか決まっていないなら、いまはしないという返事で止められます。I don’t do hugs.のdoは、この場面では「ハグということはしない」という習慣・方針を表しています。
会えてうれしい気持ちは、ハグを受けなくても伝えられる
初対面ならNice to meet you.、知っている相手との再会ならIt’s good to see you.を添えられます。接触の返事を一文で伝え、その後は普通の挨拶へ進めば、断る理由の説明だけで会話を続けずに済みます。
B: It's good to see you too. I'd prefer a handshake, if that's okay with you.
A: Of course.
B: Thanks. How was your trip?
B:私も会えてうれしいよ。あなたもよければ、握手のほうがいいな。
A:もちろん。
B:ありがとう。旅はどうだった?
if that’s okay with youは、ハグを断ってよいか許可を求めているのではなく、代わりに提案した握手が相手にもよいか確かめています。相手が握手を望まないなら、言葉だけで挨拶します。
B: No hugs for me, thanks. It's lovely to see you.
A: Oh, okay. It's lovely to see you too. Let me introduce you to everyone.
B:ハグは遠慮するね。会えてうれしいよ。
A:あ、分かった。私も会えてうれしい。みんなを紹介するね。
二つ目では、握手の提案をしていません。「ハグはしないけれど握手ならできる」という条件を、勝手に付け足さないためです。この会話は相手が希望を受け入れた例で、同じ英文を使えば必ず穏やかに応じてもらえるという約束ではありません。
Sorry.を一度添えるかどうかは自分で選べます。ただ、何度も謝ったり、性格や過去の経験を説明したりすることを、断るための条件にしなくて大丈夫です。笑顔やアイコンタクトを必須の作法として足す必要もありません。
頬へのキスや家族の挨拶が気になるなら、会う前に一言伝える
当日に言葉が出るか心配なら、会う前に短く伝えられます。次は、ハグも頬へのキスもせず挨拶したい場合のメッセージです。
ハグだけ避けたいならhugs or cheek kissesをhugsへ替え、後半もA handshake would be fine with me, if you prefer.(あなたがよければ、握手なら私は大丈夫です)など、自分の希望に合わせます。接触なしがよい場合は、元の文のまま使えます。
恋人の家族に初めて会うなら、恋人へCould you let your family know that I prefer greetings without hugs or cheek kisses?(ハグや頬へのキスをしない挨拶がよいと、ご家族に伝えてもらえる?)と頼めます。説明役を任せた場合も、本人の希望を変えて伝えていないか確認します。
周囲の挨拶を知りたいだけなら、How do people usually greet each other at your family gatherings?(ご家族の集まりでは、普段どんなふうに挨拶するの?)と聞けます。習慣を聞くことと、それを自分もすると承諾することは別です。参加する日や時間を決める話は、恋人の家族の行事へ参加する英語で準備できます。
頬へのキスの回数や左右の順番を、国名だけから当てようとしなくても構いません。したくない場合は回数の確認へ進まず、No cheek kisses for me, please.と自分の希望を先に伝えられます。
自分から触れるときも、聞いてから返事を待つ
Can I give you a hug?(ハグしてもいい?)と聞いたら、触れ始めずに返事を待ちます。相手が迷っている、返事がない、身を引いているといったときに、笑顔だけをYesだと解釈して進めません。
B: Just hello, please.
A: Of course. It's great to see you. How have you been?
B:言葉だけでお願い。
A:もちろん。会えてうれしいよ。元気だった?
断られた後は、Of course.やNo problem.で受け取り、挨拶へ進めます。Are you sure?、Just one hug.と聞き直して、別の返事を引き出そうとする必要はありません。
以前はハグした相手も、今日は違う希望かもしれません。相手がNot today, thanks.と言ったら、その日の返事を受け取ります。同意を確かめる考え方全体は、同意を確認する・断る英語でも説明しています。
もし自分が先に近づいてしまったら、Sorry, I should have asked first.(ごめん、先に聞くべきだったね)と短く伝え、実際に距離を取ります。謝罪への返事や「気にしていない」という言葉を相手に求めず、示された希望を守ります。
断った後も触れようとするなら、挨拶を続けなくてよい
「うちでは普通だから」「ハグくらい」と言われても、望まない接触を受ける理由にはなりません。安全に言える場面なら、I said no hugs. Please don’t touch me.(ハグはしないと言いました。触らないでください)と、してほしくない行動を短く伝えられます。
相手が怖い、進路を塞ぐ、離れようとしても近づいてくる場合は、説明を続けるより、人のいる場所へ移動し、スタッフや信頼できる人へ助けを求めてください。Could you stay with me? I don’t feel safe around that person.(一緒にいてもらえますか。あの人のそばにいると怖いです)と伝えられます。差し迫った危険があるときは、その地域の緊急通報先を利用します。
身体的な境界を考える資料として、米マサチューセッツ州の関係づくりの案内も、ハグやキスなど、どの接触ならよいかを自分で考え、互いの境界を尊重することを説明しています。その場で英語が出なかった、笑って流した、動けなかったとしても、それを望まない接触をした人の行動の責任まで引き受ける理由にしないでください。
次の挨拶に備えるなら、自分が使いそうな一文だけ選んで声に出してみましょう。ハグを受ける文だけでなく、握手を提案する文、接触なしを伝える文のどれも、自分の希望に合わせて選べます。言い切った後に理由を足さず、普通の挨拶へ進むところまで練習できます。
安全に関する資料確認:ikemen-eikaiwa.com編集部調べ(2026年9月12日)。会話例は説明用に作成しています。