“I love Japanese women.”(日本人の女性が好き)、“Asian men are my type.”(アジア系の男性がタイプ)。デートやアプリでこう言われて、「私に興味があるのかな。それとも国籍が合えば誰でもいいのかな」と戸惑ったら、自分のどこに惹かれたのかを聞く言い方があります。
これは相手ともう少し話したいときの一文です。すでに嫌だと感じているなら、質問してからでなくても「そういう見方をされるのは嫌だ」と伝えたり、会話を終えたりできます。嬉しくない言葉へ、無理にThank you.を返す必要もありません。
「何を確かめたいか」で、最初の一文を選ぶ
相手の言い方の意味が分からないのか、自分への関心を聞きたいのか。それによって質問を変えると、知りたいことへ進みやすくなります。
| 知りたいこと | 英語 | 日本語の意味 |
|---|---|---|
| 今の言葉の意味 | What do you mean by that? | それはどういう意味? |
| 話しかけたきっかけ | What made you want to talk to me? | 私と話してみようと思ったきっかけは? |
| 自分のどこが好きなのか | What do you like about me, specifically? | 私の具体的にどんなところが好き? |
What do you mean by that?は意味を広く尋ねるため、相手から日本への関心の話が返ってくることもあります。プロフィールや会話のどこに惹かれたかを聞くなら、2つ目の質問のほうが目的に合います。
3つ目のspecificallyは「具体的に」という絞り込みです。まだほとんど話していない相手へ使うと、好きな理由をきちんと答えるよう求める響きにもなります。最初のメッセージならWhat caught your attention on my profile?(プロフィールのどこが気になった?)と聞くほうが、その時点で答えられる範囲になります。
どの質問も、相手の本心を確実に見抜くテストではありません。一文で意図を決めつけず、返ってきた話を聞いて、自分が会話を続けたいか考えるために使います。
返答が自分の話になったら、続けたい話題へ戻す
例えば「プロフィールにあった絵が面白かった」「一緒に話していると楽しい」と返ってきた場合。自分も話を続けたいなら、その具体的な話題を拾えます。「日本人が好き」という言葉を嬉しく受け取ったことにする必要はありません。
次は、アプリでのやりとりを想定した練習用の会話です。
B: What caught your attention on my profile?
A: The sketches you posted. I draw too.
B: I’d rather talk about that. What do you like to draw?
B: 私のプロフィールのどこが気になったの?
A: 載せていたスケッチ。私も絵を描くんだ。
B: その話のほうがしたいな。どんなものを描くのが好き?
I’d rather talk about that.は、いま出てきた話題へ会話を移したいという希望です。「絵が好き」と答えてもらえたから相手を信用しなければいけない、という意味ではありません。話してみて、やはり合わないと感じたらそこで区切れます。
相手が「日本で暮らしていた」「日本語を勉強している」と自分の経験を話すことと、こちらに特定の性格や振る舞いを求めることも分けて聞けます。日本の話をすること自体が嫌なのではなく、自分について知ってほしいのなら、こう言えます。
前半は、本当に日本の話をしてもよいと感じる場合に使います。そこまで言いたくなければ、I’d like you to get to know me as a person.(一人の人間として私のことを知ってほしい)だけで伝わります。
「日本人ならこうでしょ」という期待は、具体的に断る
国籍の話から「日本人はみんな控えめだよね」「だからあなたもそうだと思った」と続いた場合は、好きな理由をさらに尋ねるより、自分に当てはめないでほしいことを伝えられます。
quietは、この場面で相手が押しつけた性格の例です。ほかの言動が気になったなら、実際に言われた内容へ変えます。「日本人は本当はこう」と反対の一般論で答えるより、自分についての思い込みを止める一文にできます。
アジア系という括りでばかり語られること自体が嫌なら、性格の話に絞らず伝えて構いません。
これは自分への接し方についての希望です。相手がどのような人に惹かれるべきかを、こちらがすべて決める話に広げる必要はありません。自分が受け入れたくない言い方や期待を、できる範囲で具体的に示します。
「褒めたつもり」と返されたら、続けるか終えるかを選ぶ
“It was a compliment.”(褒めたつもりだったんだけど)と返ってきても、褒め言葉として受け取る約束をする必要はありません。まだ話したいなら、「その言い方はやめてほしい」という希望へ戻せます。
I hear that…では相手の説明を聞いたことを示し、続く文で自分の受け取り方と希望を伝えています。最初から短くPlease don’t describe me that way.だけを使うこともできます。
| 返ってきた言葉・行動 | 自分が話したい場合 | もう続けたくない場合 |
|---|---|---|
| 自分の趣味や話し方など、具体的な話になった | その話題を拾う | 答えてもらっても、会話を終えてよい |
| 国籍や見た目の括りについて話し続ける | どの決めつけをやめてほしいか伝える | 希望を繰り返し説明せず、終了を伝える |
| 「冗談」「気にしすぎ」と笑って流す | 話せる状況なら、言い方をやめてほしいと一度確認する | 分かってもらうまで議論を続ける必要はない |
この表は相手を「良い人・悪い人」に分類するものではありません。相手の返答と、自分がいまどうしたいかを分けて考えるための選択肢です。会話を終えたいときは、例えば次のように伝えられます。
対面ならI’m going to leave now.(もう帰ります)と短く区切る言い方もあります。怖い、これ以上関わりたくないと感じる場合は、返事や説明を続けることより、その場ややりとりから離れることを優先してください。別の場面でも嫌なことを伝えたいときは、不快だと英語で伝えるフレーズを参照できます。
自分が「外国人が好き」と言ってしまったときの言い直し
反対に、自分から“I love foreigners.”と言ってしまう場面も考えてみましょう。言いたいことが「あなたとの会話が楽しい」なら、広い括りで好みを説明するより、その人について感じたことを言葉にできます。
相手から「ひとくくりにしないで」と言われたなら、先にI’m sorry I made that generalization.(ひとくくりにしてしまってごめん)と、自分の言い方について謝ることもできます。「褒めたんだから」と受け取り方を求めず、相手が会話を続けたくないと言ったらそこで終えます。
実際に感じていない長所を並べる必要はありません。相手について知っていることがまだ少ないなら、I’d like to get to know you better.(あなたのことをもっと知りたい)と伝えられます。相手の恋愛観を国籍から予想せず聞く表現は、文化差を決めつけずに話す英語でも紹介しています。
自分が使いたい返答を、ひとつ声に出してみる
すべての例文を暗記するより、今の自分が選びたい返答を決めて練習します。次の3場面を読み、表を見ずに一文言ってみてください。答えはひとつに限りません。
- プロフィールを見た相手に「日本人が好きだから連絡した」と言われた。自分はもう少し話してみたいので、プロフィールのどこに興味を持ったか聞く。
- 「日本人だから物静かだと思った」と言われた。国籍から性格を決めつけないでほしいと伝える。
- 嫌だと伝えたあとも同じ話が続く。自分はやりとりを終えたいので、その意思を短く伝える。
練習相手がいる場合は、最初の質問に「絵が気になった」と答える回と、「ただタイプだから」と答える回を分けてみましょう。用意した次のセリフへ機械的に進まず、返答を聞いて、自分が話したいことを選びます。
相手に理由を尋ねるのも、自分の希望だけ伝えるのも、会話を終えるのも選択肢です。いまの気持ちに合う一文を、無理のない長さで用意しておきましょう。