

結論
その場なら That makes me uncomfortable.(それは不快に感じる)、あとからなら I didn’t say anything at the time, but it stayed with me.(あのときは何も言わなかったけど、ずっと引っかかっている)、繰り返されているなら This isn’t a one-off anymore. I need it to stop.(もう一度きりではない。やめてほしい) と伝えられます。身体への接触を止めたいときは、Stop. Don’t touch me like that.(やめて。そんなふうに触らないで) と直接言って構いません。
結論:感じ方と、やめてほしい行動を具体的に伝える
That makes me uncomfortable. は、自分がどう感じたかを示す表現です。That was rude.(それは失礼だった)のように行為を評価する表現より、経験を主題にしやすい利点があります。ただし、相手が防御的にならないことを保証する言葉ではありません。また、差別的な発言や同意のない接触を、柔らかく言い換える義務もありません。
必要なら、感じ方に続けてやめてほしい行動を具体的にします。That makes me uncomfortable. Please don’t joke about my accent.(それは不快に感じる。私の発音を冗談にしないで)のように言えば、次に何を変えてほしいかまで伝わります。相手の意図と、こちらが受けた影響は分けて話せます。
2つ目の how it landed for me(私にどう届いたか)は、意図の有無と受けた影響を分ける言い方です。ただし、同じ行動をやめてほしい場合は、影響を説明するだけで終わらず、具体的な希望も伝えます。
不快を伝える英語フレーズ早見表(場面×フレーズ)
まずは全体像から。よくある場面ごとに、短く伝えられるフレーズをまとめました。長く説明できないときは、一文で止めたり、あとで話すと伝えたりできます。
| 場面 | 英語フレーズ | 日本語の意味 |
|---|---|---|
| 冗談がきつい | That joke doesn’t land with me. | その冗談、私には笑えないな |
| からかわれた | I know you’re joking, but that one stings. | 冗談なのはわかるけど、それは刺さる |
| 話題が重い | Can we change the subject? | 話題を変えない? |
| 立ち入った質問 | I’d rather not get into that. | それには立ち入りたくないな |
| 触れ方が不快 | I’m not comfortable with that. | それは心地よくないな |
| 不意をつかれた | Give me a second — that caught me off guard. | ちょっと待って。不意打ちだった |
| メッセージの内容 | That message didn’t sit right with me. | あのメッセージ、しっくりこなかった |
| SNSへの投稿 | I’d rather that stayed offline. | それはネットに出さないでほしい |
| 後から伝える | Something’s been on my mind since Saturday. | 土曜のことがずっと引っかかってて |
| 同じことが続く | This isn’t a one-off for me anymore. | もう一度きりの話じゃなくなってる |
この表は、上から下へ強くなっていく順番ではありません。場面が違うだけで、どれも対等な選択肢です。自分の状況にいちばん近い行から選んでください。
uncomfortable の基本
語の性質を先に押さえておくと、迷う時間が減ります。ここでは2つの角度から見ていきます。
使える場面の広さ
uncomfortable は、冗談、話題、触れ方、メッセージ、写真、予定の決め方など、幅広い場面で使えます。自分の状態を述べる語ですが、文脈によっては相手の行動への異議として受け取られます。それで問題ありません。目的は、相手に不快感を抱かせないことではなく、自分の意思を伝えることです。
理由をすぐに説明できなくても、やめてほしいと伝えられます。Why does that bother you?(どうしてそれが嫌なの?)と聞かれても、I can’t explain it right now, but I need you to stop.(今は説明できないけれど、やめてほしい)と区切れます。理由は、境界線を尊重してもらうための条件ではありません。
深刻度による言い分け
ひとくちに「不快」と言っても、感じ方の種類は違います。強さの階段として覚えるのではなく、自分の感覚にいちばん近い語を選ぶという発想で使い分けてください。
もやっとした違和感には didn’t sit right with me、落ち着かない・居心地が悪い感覚には uncomfortable、受け入れられないという意思には not okay with me、傷ついた感情を伝えるなら hurt を使えます。これは強さの順番ではありません。自分の感覚と伝えたい内容に近い語を、最初から選んで構いません。
場面別フレーズ
ここからは、実際によく起きる4つの場面を具体的に見ていきます。どの場面でも、使っているのは「私はこう感じる」という同じ構造です。
冗談・からかいが不快
笑いが起きている場面では、言い出しにくいことがあります。冗談だと自分でも認識しているなら、I know you’re joking, but … と前置きできます。ただし、悪意がないと認めたり、冗談として受け入れたりする必要はありません。直接 Please don’t joke about my accent. と言って構いません。
2つ目は、本当に二人のときなら平気な場合だけ使います。場所にかかわらず嫌なら、Please don’t joke about my accent. と伝えてください。相手に受け入れやすく見せるために、一部を許す必要はありません。
話題が不快
元恋人の話、収入や体型の話、家族の事情など、触れられたくない話題は人によって異なります。理由を説明せず、話題そのものを移すこともできます。
行動・触れ方が不快
身体に関わることは、その場でしか言えない場面が多いものです。だからこそ、短くて、考えずに出せる一文を用意しておく価値があります。丁寧に説明しようとするほど、言葉が出なくなります。
メッセージ・SNSが不快
文字のやりとりは、その場の空気がないぶん誤解が生まれやすい場所です。逆に言えば、落ち着いて言葉を選べる場所でもあります。すぐに返さず、時間を置いてから伝えてかまいません。
伝えるタイミングの3つの選択肢
不快だったことは、その場でも後からでも伝えられます。同じことが続いているなら、回数やパターンを具体的に示せます。ただし、これは弱い言い方から強い言い方へ進む三段階ではありません。場面と安全性に合う方法を選びます。
その場で短く
安全に言えるなら、その場で短く伝える方法があります。ここで議論まで続ける必要はなく、やめてほしいことを一文で示して、その場を離れてもかまいません。
後半の Anyway — where were we? は、自分がその話を終えて会話を続けたい場合に使います。傷ついていて離れたい場合は、場を軽くする役割まで引き受けず、I need to step outside.(外に出るね)と離れて構いません。
後からしっかり
その場で言えなかったとしても、あとから伝えて構いません。驚きや緊張で言葉が出なかったり、自分の感覚を整理するのに時間がかかったりすることがあります。時間を置けば落ち着いて話せる場合もあります。
時間が空いたことを自分から共有すると、会話の経緯を説明しやすくなります。ただし、その場で言えなかった理由を相手に納得してもらう義務はありません。
2つ目のように、その場で笑ったことと実際の気持ちを分けて説明できます。驚きや緊張から笑うこともあるため、笑ったという反応だけで、その言動に同意したと決めつけることはできません。
繰り返されたら
同じことが続くときは、個々の出来事に加えてパターンとして伝える方法があります。回数や直近の例、やめてほしい行動を具体的にすると、何が続いているのかを示せます。
伝えたのに変わらないという事実そのものが、今後を考える材料になります。同じ行動が続く場合、自分の言い方だけを修正し続ける必要はありません。その見分け方は、次の節でまとめます。
会話スクリプト:不快だったことを後から伝える
ここまでのフレーズを、ひとつの流れとして見てみましょう。相手が最初は防御的に反応する展開にしています。実際の会話でも、最初のひとことは「冗談だったのに」であることが多いものです。
【会話スクリプト】友人との集まりでからかわれた件を、数日後に二人で話す場面
Bが But you were laughing too. と返したあと、Aは笑った事実と、実際には不快だったことを分けて説明しています。I’m telling you how it landed for me, not what you meant. は、相手の意図だけで話を終わらせず、受けた影響へ戻す一文です。最後にBは、今後やめる行動を具体的に確認しています。
避けたい言い方(皮肉・当てこすり・謝りすぎ)
ここでは、不快を伝えるつもりで使われがちなのに、かえって伝わらなくなる言い方を3つ取り上げます。どれも文法の誤りではなく、届き方の問題です。
皮肉で返す
当てこすりや沈黙で示す
謝りながら伝える
危険サインと助けの求め方
ここまでは、話し合いが成り立つ相手を前提にしてきました。ただ、不快を伝えたあとの反応そのものが、関係の状態を教えてくれることもあります。次のようなことが続くときは、言い方を工夫する段階ではありません。
- 不快を伝えるたびに「考えすぎ」「冗談が通じない」と言われ、感じ方そのものを取り下げさせられる。
- 謝罪はあるが行動は変わらず、同じことが繰り返される。しかも回数が増えていく。
- 嫌がる反応を面白がって、わざと同じことをされる。人前ならなおさら続く。
- こちらが不快だと言ったことを、周囲に笑い話として共有される。
- 不快を伝えるたびに、別れをちらつかされたり、機嫌を直すまで無視されたりする。
- 相手が強く怒る、物にあたるなどして、こちらが「言わないほうが安全だ」と感じるようになっている。
最後の項目は特に重要です。言わないほうが安全だと感じている状態は、それ自体が判断の材料になります。こうした状況では、説明を重ねる必要はありません。安全に言える場合だけ事実を短く伝え、言葉にすると危険が増すなら説明せずに離れてください。
一人で抱えないことも大切です。助けを求めるときは、最初からすべて説明せず、短い一文で今必要な助けを伝える方法があります。
怖くて言えない、断ると身の危険を感じる、連絡や行動を細かく監視されるといった状況を、一人で収める必要はありません。身近な信頼できる人、地域のDV・性暴力・ストーカー被害に対応する相談窓口、警察などへ相談できます。今すぐ危険がある場合は、その地域の緊急通報先へ連絡し、安全な場所へ移動することを優先します。
今日からできる練習法
驚きや緊張がある場面では、言葉を組み立てにくいことがあります。落ち着いているうちに口に慣らしておくと、必要なときに選びやすくなります。次の3つを順に試してみてください。
【ロールプレイ課題】次の3場面を、それぞれ英語で3〜4往復ずつ演じてみてください。①冗談が不快だとその場で伝え、やめてほしい内容を具体化する。②数日後に切り出したら「君も笑ってたよね」「ただの冗談だよ」と返される。笑ったことと不快だったことを分け、今後の希望へ戻す。③同じことが繰り返され、伝えると相手が怒る。議論を続けず、安全な場所へ離れて信頼できる人に連絡する。相手の反応が怖い場面では、言い直す練習より安全確保を優先してください。
よくある質問
その場で笑ってしまったのに、あとから「嫌だった」と言ってもいいのですか?
あとから伝えて構いません。驚きや緊張があると、笑って合わせてしまうことがあります。笑ったことだけで、その言動に同意したと決めつけることはできません。I laughed at the time, but I wasn’t okay with it. と、そのときの反応と実際の気持ちを分けて伝えられます。
なぜ嫌なのか、理由を説明できないと伝えられませんか?
説明できなくても伝えられます。感じ方に説明責任はなく、uncomfortable という語はまさにそのために使えます。理由を聞かれたら I can’t fully explain why, but it makes me uncomfortable. で十分です。むしろ理由を並べるほど、その理由への反論が返ってきて話が長引くことがあります。
uncomfortable と hurt は、どう使い分けますか?
uncomfortable は落ち着かない・居心地が悪い状態、hurt は傷ついた感情を表します。強さの段階ではないため、本当に傷ついたなら最初から That hurt me. と言って構いません。自分の感覚に近い語を選び、必要ならやめてほしい行動を続けます。
どのくらい経ってからなら、蒸し返しにならずに伝えられますか?
伝えるのに一律の期限はありません。I didn’t say anything at the time, but it stayed with me. と、時間が空いたことや今も残っていることを共有できます。相手が「蒸し返し」と受け取る可能性までなくすことはできませんが、あとから気づいた感情や希望を話すこと自体はできます。
まとめ
不快を伝えることは、自分の感じ方と、やめてほしい行動を相手に知らせる手段です。最後にポイントを振り返ります。
- That makes me uncomfortable. で感じ方を示し、必要なら Please stop. と、やめてほしい行動を続ける。
- 話が意図の議論にずれたら、I’m telling you how it landed for me. で戻す。
- 感じ方に説明責任はない。理由が言えなくても伝えていい。
- 語は感覚に合わせて選ぶ。もやっとしたなら didn’t sit right、受け入れられないなら not okay with me。
- その場で短く言う、後から話す、繰り返しをパターンとして示す方法がある。順番に段階を踏む義務はない。
- その場で笑ってしまっても、後から伝えていい。笑った反応だけで、その言動への同意とは決めつけられない。
- 皮肉や当てこすりだけでは伝わらないことがある。安全に話せる相手には、具体的な言葉を使う。
- 言わないほうが安全だと感じている状態は、それ自体が判断の材料。信頼できる人や相談窓口に話していい。
場面に合う一文をひとつ選び、感じ方だけでなく、やめてほしい行動まで声に出してみてください。

