海外の取引先へ支払う直前、請求書の振込先が前回と違うことに気づいた。「この口座で合っていますか」と英語で聞きたいけれど、相手を疑っているようには書きたくない。そんな場面では、確認したい情報と、確認が済むまでの扱いを分けて伝えます。

「送金前に振込先をご確認いただけますか」は Could you please confirm the bank details before we arrange payment? と書けます。請求書番号を添えると、何の支払いについて確認しているかが明確になります。

ただし、口座変更の連絡を受けた場合は、メールへの返信だけで確認完了にしません。以前から把握している電話番号など、変更通知とは別に信頼できる連絡先で取引先へ確認し、社内の承認手順を進めます。以下は、その確認を英語で依頼するための編集部作成例です。

初回の情報確認と、口座変更の再確認を分ける

場面英語で伝える中心送金前に行うこと
初めて支払う相手で情報が足りないPlease provide the bank details for payment.必要情報を指定の経路で受け取り、取引先登録・照合を行う
請求書と登録済み情報が違うThe bank details differ from those in our records.変更点と変更の事実を、既知の連絡先で確認する
確認が終わっていないThe payment is on hold pending verification.確認・承認が完了するまで送金しない

bank detailsは「銀行口座情報・振込先情報」をまとめて指す表現です。bank account numberは口座番号だけなので、銀行名や名義も必要なときには、依頼する項目を続けます。

ここでのconfirmは、情報を確かめるという意味です。「入金したか確認してください」という着金確認ではありません。送金が完了したあとの連絡は、送金しました・支払い完了の英語メールで確認できます。

初回送金前は、請求書番号と必要な項目を伝える

次は、請求書の通貨が米ドルで、初めて支払う取引先へ口座情報を依頼する例です。[相手の名前]・[自分の名前]を書き換え、4821とUSDも実際の請求書へ合わせます。本文にない添付ファイルや、まだ承認していない送金日を付け足す必要はありません。

初回送金前の振込先確認メール
Subject: Bank details required for Invoice No. 4821

Dear [相手の名前],

We are preparing payment for Invoice No. 4821 in USD. Could you please provide the beneficiary name, bank name, and account number or IBAN, as applicable? Please also include the SWIFT/BIC and any branch or routing details required for this transfer.

Please let us know how we can obtain these details through your established secure process. We will complete our verification and internal approval before arranging payment.

Best regards,
[自分の名前]

件名:請求書No.4821の支払いに必要な振込先情報

[相手の名前]様

請求書No.4821について、米ドルでの支払いを準備しています。受取人名義、銀行名、該当する口座番号またはIBANをご案内いただけますでしょうか。また、今回の送金に必要なSWIFT/BIC、支店や送金経路に関する情報もお願いいたします。

貴社で通常利用されている安全な手順で、これらの情報を受け取る方法をお知らせください。弊社での確認と社内承認を完了してから、送金手配を行います。

よろしくお願いいたします。
[自分の名前]

as applicableは「該当する場合に」という意味です。IBANなど、送金先や送金方法によって使う項目が違うため付けています。すでに自社と取引先で合意した登録用ポータルや書類の受け渡し方法があるなら、その方法を具体的に書けます。

このメールは、口座番号をメールで長く往復させることを目的にしていません。実際に情報を受け取る方法は、自社の取引先登録・支払い手順に合わせます。新たに届いたリンクを、文章にsecureと書いてあるだけで安全な窓口と判断しないようにします。

SWIFT/BICとIBANを混同せず、必要な情報だけを依頼する

次は、送金前に確認する項目の整理です。全部が常に必須という意味ではありません。利用する銀行・送金サービスが求める項目を確認し、不要な情報まで一律に集めないようにします。

英語の項目名確認する内容書くときの注意
Beneficiary name / Account holder name受取人・口座名義取引先名と違う場合は理由も確認し、略称を自分で補わない
Bank name / Bank address受取銀行名・銀行住所必要な正式表記を先方へ確認する
Branch name / Branch code支店名・支店コード送金手段が求める場合に確認する
Account number / IBAN受取口座の識別情報該当する方式を確認し、分からない番号を推測しない
SWIFT/BIC銀行などの組織を識別するコード個別の口座番号と取り違えない
Payment currency支払いの通貨請求書・支払い合意・受取条件との一致を確認する
Intermediary bank details中継銀行の情報必要と言われた場合に、銀行の案内に沿って確認する

SwiftのBICの説明では、BICは組織の識別に使うコードで、8文字に任意の3文字の支店識別子を加える構成です。一方、IBANは口座を識別する国際的な形式で、国別の形式が登録されています。SWIFT/BICを教えてもらっても、それだけで受取口座が特定できたことにはなりません。

IBANを使わない送金先や方式もあるため、相手に「必ずIBANをください」と決めつけず、account number or IBAN, as applicableと依頼できます。支店コードや中継銀行をインターネット上の断片から補完せず、必要項目は利用銀行と取引先の正規窓口で確認します。

情報を入力する前に、請求書番号、受取人名義、通貨、登録済み口座との一致を見ます。数字の形式が正しいことと、本当にその取引先へ支払う口座であることは、別の確認です。

口座変更の連絡には、既知の連絡先で確認すると伝える

前回と違う振込先が届いた場合、直ちに「詐欺です」と断定する必要はありません。ただし、新しい口座へ送金する前に変更の事実を確認します。次は、正規の担当者へ確認の予定を伝えるメール例です。

口座変更について別経路で確認するメール
Subject: Verification of bank detail change — Invoice No. 4821

Dear [相手の名前],

The bank details on Invoice No. 4821 differ from those in our records. Before we update our records or arrange payment, we need to verify the change with your finance team.

We will call using the contact number already held in our vendor records. Please let us know a suitable time for the call. The payment will remain on hold until verification and our internal approval are complete.

Thank you for your cooperation.

Best regards,
[自分の名前]

件名:振込先変更の確認について — 請求書No.4821

[相手の名前]様

請求書No.4821に記載の振込先が、弊社の登録情報と異なっています。登録の更新や送金の手配を行う前に、貴社の経理部門へ変更を確認する必要があります。

弊社の取引先情報に以前から登録されている電話番号へお電話します。通話に適した時間をお知らせください。確認と弊社の社内承認が完了するまで、支払いは保留といたします。

ご協力ありがとうございます。

よろしくお願いいたします。
[自分の名前]

already held in our vendor recordsで、今回の変更通知に書かれた新しい番号ではなく、以前から把握している番号を使うと示しています。電話を受けた相手へ、対象請求書と変更内容を確認し、その記録を社内の承認へつなげます。

不審なメールにそのまま返信しながら情報を集め続ける手順ではありません。IPAのビジネスメール詐欺FAQでも、別の手段で事実を確認し、署名欄の番号ではなく信頼できる方法で得た連絡先を使うよう案内されています。違和感がある場合は、自社の経理・情報セキュリティ担当へ共有します。

メールアドレスがいつもどおりでも、アカウント自体が不正利用されている可能性があります。「同じアドレスからYesと返ってきた」「先方から電話があった」という事実だけで確認を終えず、自社側で把握している連絡先へ確認する手順を守ります。

既知の番号へ電話したときの確認
I'm calling about a change to the bank details for Invoice No. 4821. Before we make any updates, could you confirm whether your finance team requested this change?

請求書No.4821の振込先変更についてお電話しています。登録を変更する前に、この変更が貴社の経理部門から依頼されたものか確認させていただけますか。

これは通話の入り方です。変更の有無だけでなく、対象の口座情報も社内手順に沿って照合します。認証コードやネットバンキングのパスワードを聞き出すための確認ではありません。

確認が終わらないときは、送金済みと書かず保留を伝える

締切が近くても、未確認の振込先へ急いで送金したことにせず、確認待ちであると伝えます。相手へ状況を説明するときは、何が終われば次へ進むかを一文で示せます。

確認中のため支払いを保留している
The payment is currently on hold pending verification of the bank details. We have not sent the funds. We will let you know once verification and internal approval are complete.

現在、振込先の確認が完了するまで支払いを保留しています。まだ送金は行っていません。確認と社内承認が完了しましたらお知らせします。

pending verificationは「確認待ちで」という意味です。We have not sent the funds.を添えると、手続きがどの段階かを誤解されにくくなります。承認前なのにWe have completed the payment.と書くと、送金済みの連絡になってしまいます。

保留によって支払期限への影響が出る場合は、担当部門と調整し、先方へ状況と次の連絡予定を伝えます。まだ分からない送金日や着金日を、確定した日付として約束しないようにします。

すでに送金したあとで不審な点に気づいた場合は、確認メールの返信を待たず、速やかに利用銀行と社内の担当部門へ連絡してください。FBIのBEC対策案内も、被害に気づいた場合の金融機関への即時連絡を案内しています。連絡したことだけで、資金を必ず回収できるわけではありません。

送る前に、メールが「初回の情報依頼」「変更の確認」「確認中の保留」のどれなのかを確かめてください。目的が決まれば、bank detailsと請求書番号を軸に、必要な情報と次の確認方法を短く書けます。