見積もりや提案を出した相手から、「今回は別の会社に決めました」と連絡が来た。残念な気持ちはあるものの、返信で値引き案まで出すべきか、それともお礼だけで終えるべきか迷う場面です。
まずは、Thank you for letting us know. We appreciate the opportunity to submit a proposal and respect your decision.(ご連絡ありがとうございます。提案の機会をいただいたことに感謝し、貴社のご判断を尊重いたします)と返せます。
失注の返信では、判断を受け取ったことと、提案の機会への感謝を先に伝えます。理由を聞くか、次回の連絡を提案するかは、その後に選べる追加事項です。質問を入れず、短く案件を閉じる返信でも構いません。
「他社に決定」と「計画の見送り」を、届いた文面から分ける
返信を書く前に、相手が何を決めたのかを確認します。他社を選んだのか、予算の事情で計画そのものを止めたのかで、こちらが受け止める内容が違うからです。
| 相手からの連絡 | 読み取れること | 返信の方向 |
|---|---|---|
| We have decided to work with another supplier. | 別の供給先を選んだ | 決定を尊重し、検討の機会へ感謝する |
| We are putting the project on hold due to budget constraints. | 予算の制約で計画を保留にする | 保留を理解したと伝え、必要なら再確認の時期を相談する |
| We will not be moving forward with your proposal. | 今回の提案では進めない | 見送りを受け止める。理由や他社決定は推測で補わない |
on holdは保留ですが、後で必ず再開する約束ではありません。また、not moving forwardだけでは、価格が原因だったとも、他社を採用したとも分かりません。相手が書いていない事情を、返信の中で事実にしないようにします。
まだ結果が届いておらず、判断を確認したい段階なら、返信がない相手へのフォローメールの場面です。今回のように「進めない」と返事が来た後は、同じ催促文を重ねず、届いた決定に答えます。
場面に合わせて使える、失注・見送りへの返信3通
以下の英日メールは、すでに提案を検討してもらい、結果の連絡を受け取った場合の例です。宛名・署名・案件名を置き換えます。元のメールに返信するなら、その案件の件名を残すと、やり取りを追いやすくなります。
他社に決まった:短く受け止めて、追加の返信を求めない
Dear [相手の名前],
Thank you for letting us know your decision regarding the packaging project.
We appreciate the opportunity to submit a proposal and the time your team spent reviewing it. While we are disappointed not to be working with you on this project, we respect your decision to proceed with another supplier.
We wish you and your team every success with the project.
Best regards,
[自分の名前]
[相手の名前] 様
包装プロジェクトについてのご判断をお知らせいただき、ありがとうございます。
提案の機会をいただき、また貴社チームにお時間をかけてご検討いただいたことに感謝いたします。今回のプロジェクトでご一緒できないことは残念ですが、別の供給先と進めるという貴社のご判断を尊重いたします。
皆様のプロジェクトが成功することを願っております。
よろしくお願いいたします。
[自分の名前]
残念という気持ちは、we are disappointed not to be working with youと一度だけ伝えています。さらに短くしたいなら、この部分を省き、感謝とwe respect your decisionだけにしても自然です。
このメールには質問がないので、相手へ新たな説明や返答を求めていません。失注したこと自体を、We apologize.と謝る必要もありません。こちらに実際の不備や約束違反があった場合の謝罪とは分けます。
予算で計画を保留:再連絡してよい時期を一つ尋ねる
次は、相手が「予算の都合で今回は保留し、11月に再検討する」と書いてきた場合の例です。11月という時期は、相手から示されている設定です。
Dear [相手の名前],
Thank you for the update. We understand that the training program is on hold due to the current budget constraints.
We appreciate the time you spent reviewing our proposal. You mentioned that you expect to revisit the project in November. Would it be helpful if we checked in with you then?
We understand if you would prefer to contact us when your plans are clearer.
Kind regards,
[自分の名前]
[相手の名前] 様
ご状況をお知らせいただき、ありがとうございます。現在の予算上の制約により、研修プログラムは保留となっていることを承知いたしました。
弊社の提案をご検討いただいたお時間に感謝いたします。11月にプロジェクトを再検討するご予定とのことでしたが、その頃に弊社からご状況をお伺いしてもよろしいでしょうか。
ご計画が明確になってから貴社よりご連絡いただく形をご希望の場合も、承知いたします。
よろしくお願いいたします。
[自分の名前]
Would it be helpful if we checked in with you then?は、その時期にこちらから連絡してよいかの提案です。相手が応じたら、必要に応じて実際の時期をそろえます。返答がなければ、定期的な営業メールを送る合意が取れたとは扱いません。
再検討の時期が書かれていない場合は、11月をそのまま使わないようにします。Please feel free to contact us if the project becomes a priority again.(このプロジェクトが再び優先事項となりましたら、お気軽にご連絡ください)と、相手が必要になったときの連絡先を残して終える形もあります。
理由がない:判断を受け止め、任意のフィードバックを一つだけ聞く
提案を改善する材料がほしい場合は、決定を受け入れたうえで質問を一つ添えられます。選定企業の名前・価格・社内評価表まで求めるのではなく、自分たちの提案に関する、共有可能な点を尋ねます。
Dear [相手の名前],
Thank you for letting us know. We respect your decision not to proceed with our proposal and appreciate the opportunity to be considered.
If you are able to share any feedback, what is one aspect of our proposal that we could improve for future opportunities? We understand if you are unable to comment.
Thank you again for your time and consideration.
Best regards,
[自分の名前]
[相手の名前] 様
ご連絡ありがとうございます。今回、弊社の提案では進めないという貴社のご判断を尊重し、検討の機会をいただいたことに感謝いたします。
ご意見を共有いただけるようでしたら、今後の機会に向けて、弊社の提案で改善できる点を一つ教えていただけますでしょうか。コメントが難しい場合は、その旨も承知しております。
お時間をかけてご検討いただき、改めて御礼申し上げます。
よろしくお願いいたします。
[自分の名前]
聞いているのは、相手の判断を覆す理由ではなく、自分たちの提案で改善できる一つの点です。回答は相手が共有できる場合だけで、返答がなくても追加の説明を迫りません。フィードバックが不要なら、この段落全体を省けます。
質問への返事が来たら、反論より先に受け取る
「納期が合わなかった」「対応範囲が少し違った」などの返事をもらったら、その情報を受け取ったと伝えます。すぐに「それなら短縮できます」と再提案を始めると、改善のために聞いた質問が、再交渉の入口になってしまいます。
take this into accountは、考慮に入れるという意味です。次回は必ず希望どおりの納期にする、と約束する文ではありません。改善が必要なら、実現できる対応を社内で確認してから、別の機会の提案へ反映します。
相手から「条件を変えれば再検討できる」と明示された場合は、再交渉の余地があります。その場合も、何を変更すればよいのか、再提示を求められているのかを確認します。失注の連絡だけを、値引き依頼として読み替えないようにします。
次につなげる一文は、約束できる内容だけにする
今後も相談してもらいたいなら、If a suitable opportunity comes up, we’d be happy to discuss it with you.(適した機会がありましたら、ぜひご相談できればと存じます)と添えられます。今回の案件が復活するという意味ではなく、将来の適した機会について話す余地を残す表現です。
一方、We look forward to working with you soon.(近くご一緒することを楽しみにしています)は、具体的な予定がない相手には期待が先行します。「いつか必ず取引できる」と書くより、相談があれば対応したいという現在の姿勢を伝えます。
| 書きかけた文 | 見直したい点 | 置き換えの方向 |
|---|---|---|
| Why did you choose them instead of us? | 比較の説明を強く求めている | 任意で、自社提案の改善点を一つ尋ねる |
| We can offer a much lower price. | 求められていない再交渉を始めている | まず決定を受け止める。再提案の依頼がある場合に条件を確認する |
| After all the time we spent… | 提案に使った時間を相手の負担にしている | 検討の機会への感謝を伝える |
| I’ll contact you every month. | 再連絡の頻度を一方的に決めている | 相手が示した時期に連絡してよいかを尋ねる |
「今後ともよろしくお願いします」を長く訳すより、案件を閉じるのか、相手からの連絡を待つのか、同意した時期に確認するのかを、一つ選ぶと文面が整います。
送信前は、返信を求める用件が増えていないか確認する
失注の返信を読み直すときは、丁寧な表現の数より、相手に新たに何を求めているかを確認します。
- 他社決定・計画保留・提案見送りのうち、届いた判断に合っているか。
- 提案の機会への感謝と、判断を受け取ったことが先に伝わるか。
- 質問を入れるなら一つで、答えられない場合も受け止めているか。
- 他社の価格や内部資料など、必要のない情報まで求めていないか。
- 再検討の時期や今後の取引を、相手が言っていないのに約束していないか。
こちらが提案を受ける立場で、採用しない判断を知らせたい場合は、提案を断る英語メールで書き分けられます。
今回はお礼だけで終えるのか、改善点を一つ聞くのか、再連絡の時期を相談するのか。送る前にその目的を一つにすると、残念な気持ちがあっても、相手が受け取りやすい返信にまとめられます。