真中 結
海外の企業に、自社の製品を提案するための商談をお願いするメールを送りたいんです。でも「ぜひ弊社の商品を売り込みたいので会ってください」って、そのまま英語にすると押しつけがましくなりそうで…。どう書けば失礼にならないでしょうか?

真中 結
アポイントを取るだけのメールなら書けるんですが、「商談・提案がしたい」となると、いきなり売り込みっぽくならないか心配で、書き出しでいつも手が止まってしまって…。

北条 大和
いいところに気づいたね。商談依頼のメールは、単なるアポ取りとちがって「相手にとってのメリット」を先に一言そえるのがコツなんだ。売り込むのではなく一緒に組む可能性を探るという姿勢で書くと、ぐっと自然になるよ。結論フレーズから場面別の例文まで、順番に見ていこう。

結論

商談を依頼する英語メールは、I’d like to arrange a meeting to discuss a potential business opportunity.(商談の機会について、面談のお時間をいただければと思います)を軸にすると失礼になりません。ポイントは、依頼の前に相手にとっての価値(why you)を一言そえること。We believe our products could be a good fit for your business.(弊社の製品は御社のお役に立てると考えております)のように「なぜあなたに」を示してから、Would you be open to a short meeting to explore how we might work together?(協業の可能性を探るため、短いお打ち合わせの機会をいただけますでしょうか)と切り出すのが、そのまま使える型です。

商談依頼のメールがアポ取りメールと違うのは、こちらから「提案したいことがある」「一緒に組みたい」という売り手側の意図を伝える点です。ここで書き方を間違えると、開いた瞬間に「売り込みだ」と身構えられ、返信をもらえません。この記事では、単なる日程調整ではなく商談・提案・協業を目的とした面談依頼にしぼって、相手の関心を引く書き出し、件名や本文の組み立て、新規・既存・展示会後といった場面別テンプレート、そしてやりがちなNG直訳までを、そのまま使える英語例文とあわせて紹介します。

商談依頼を英語メールで伝える基本

商談依頼のメールで大切なのは、たった2つです。「相手にとってのメリットを先に示すこと」と「押し売りに聞こえない柔らかい依頼表現を使うこと」。この2点さえおさえれば、初めての相手にも自然に商談を切り出せます。まずは基本の型から身につけましょう。

まず使える結論フレーズ

商談を依頼するときにいちばん使うのが、「商談の機会について、お打ち合わせのお時間をいただきたい」という一文です。目的(=商談)をはっきり示しながら、丁寧に面談をお願いできる、いちばん出番の多い型です。

英語例文
I’d like to arrange a meeting to discuss a potential business opportunity.
We believe our products could be a good fit for your business.
日本語訳例文
商談の機会について、お打ち合わせのお時間をいただければと存じます。
弊社の製品は、御社のビジネスにお役に立てるものと考えております。

1文目の arrange a meeting to discuss a potential business opportunity が、商談依頼の核になる表現です。business opportunity(商機・ビジネスの好機)という語を使うと、「売り込み」ではなく「双方にメリットのある話」というニュアンスが出せます。そして2文目の a good fit for your business(御社に合っている)が、相手にとっての価値、つまり why you(なぜあなたにお声がけするのか)を伝える一言です。この一言があるかないかで、読み手の受け取り方は大きく変わります。

丁寧度別の言い換え

同じ「商談させてください」でも、相手との関係や場面によって、望ましい丁寧さは変わります。距離のある相手ほど、依頼を疑問文にして相手に選択の余地を残すと、押しつけがましさが消えます。

丁寧度英語表現使う場面
標準I’d like to arrange a meeting to discuss …目的をはっきり伝えたいとき
やや丁寧Would you be open to a short meeting to explore …?初めての相手・慎重に切り出したいとき
最も丁寧I was wondering if you might be available for a brief meeting to discuss …役職が上・格式を重んじる相手

初めての相手には、Would you be open to …?(〜のお時間をいただくことは可能でしょうか)の形がおすすめです。be open to は「〜を受け入れる余地がある」という意味で、相手にYes/Noを委ねる柔らかい依頼になります。explore how we might work together(どのように協業できるか探る)を続ければ、売り込みではなく対等な提案として響きます。

英語例文
Would you be open to a short meeting to explore how we might work together?
日本語訳例文
協業の可能性を探るため、短いお打ち合わせのお時間をいただくことは可能でしょうか。

商談依頼メールの書き方

商談依頼のメールは、次の流れで組み立てると迷いません。件名で用件をにおわせ、本文の冒頭で「なぜあなたに連絡したのか(価値)」を示し、続けて「何を提案したいか」「面談のお願い」を短く伝えます。順番に見ていきましょう。

件名の書き方

件名は、開かなくても「営業や提案の話だが、押しつけではなさそうだ」と伝わるようにします。proposal(提案)や collaboration(協業)といった前向きな語を添えるのが定番です。

場面件名の例
新規に提案したいProposal: A New Solution for [Company Name]
協業を持ちかけるExploring a Potential Partnership
面談をお願いするMeeting Request – Business Opportunity for [Company Name]

件名に相手の会社名を入れると、一斉送信ではなく「あなた宛て」であることが伝わり、開封されやすくなります。opportunitypartnership のような語を選ぶと、売り込みの印象をやわらげられます。

本文に入れるべき要素

商談依頼の本文は、次の順番で組み立てると、相手が「会う価値がある」と判断しやすくなります。とくに大切なのは、②の「相手にとっての価値」を、依頼より先に置くことです。

  1. 自己紹介と連絡のきっかけ
    I’m writing to you because I saw your recent expansion into the Asian market.
  2. 相手にとっての価値(why you)
    We believe our products could be a good fit for your business.
  3. 提案したい内容
    We’d love to introduce a solution that could help you reduce costs.
  4. 面談のお願い
    Would you be open to a short meeting to explore how we might work together?
  5. 相手への配慮
    I’m happy to work around your schedule.

順番のコツは、「売りたいもの」より先に「相手のメリット」を書くことです。introduce(ご紹介する)という語を使うと、「押し売り」ではなく「情報提供」の姿勢が伝わります。最後に相手の都合を優先する一言を添えれば、初回の連絡でも印象よく締められます。

結び・署名前の一文

結びには、返信のハードルを下げる一文を置きます。「まずは短い時間で」「オンラインでも」と、相手が応じやすい条件を示すのが効果的です。

英語例文
Even a brief 15-minute call would be greatly appreciated.
Please let me know a time that works best for you.
日本語訳例文
15分ほどの短いお電話でも、大変ありがたく存じます。
ご都合のよいお時間をお知らせいただけますと幸いです。
プラスで覚えておきたい英語フレーズ
返信をより引き出したいときは、次のひと言が便利です。
I’d be glad to share more details at a time convenient for you.(ご都合のよいときに、詳細をお伝えできればうれしく存じます)。at a time convenient for you は「あなたのご都合に合わせて」という配慮を示す定番フレーズで、面談・電話・訪問のどの依頼にも使い回せます。

商談依頼の場面別英語例文

ここからは、実際の場面別にそのまま使える例文を紹介します。新規取引・既存顧客・展示会後の3パターンです。相手との距離に応じて、価値の伝え方と依頼の柔らかさを調整しているので、近い場面のテンプレートを選んで使ってください。

新規取引の商談依頼

面識のない相手に初めて送る、いちばん難しいパターンです。冒頭で「なぜ連絡したか」と「相手のメリット」を手短に示し、いきなり売り込まないのが鉄則です。ここでは全文メールの形で紹介します。

英語例文
Dear Mr. Carter,

My name is Yui Manaka from ABC Corporation, a manufacturer of energy-saving equipment based in Tokyo.

I’m writing to you because I read about your company’s recent expansion into sustainable manufacturing. We believe our products could be a good fit for your business, as they help reduce energy costs by up to 20%.

I’d like to arrange a meeting to discuss a potential business opportunity. Would you be open to a short meeting to explore how we might work together?

I’m happy to work around your schedule, and even a brief online call would be greatly appreciated.

Thank you for your time, and I look forward to hearing from you.

Best regards,
Yui Manaka
ABC Corporation

日本語訳例文
カーター様

東京に拠点を置く省エネ機器メーカー、ABC株式会社の真中結と申します。

御社が持続可能な製造分野へ事業を拡大されたと拝見し、ご連絡いたしました。弊社の製品はエネルギーコストを最大20%削減でき、御社のお役に立てるものと考えております。

つきましては、商談の機会について、お打ち合わせのお時間をいただければと存じます。協業の可能性を探るため、短いお打ち合わせの機会をいただくことは可能でしょうか。

ご都合に合わせて調整いたしますので、オンラインでの短いお電話でも大変ありがたく存じます。

お時間をいただき恐れ入りますが、ご返信をお待ちしております。

敬具
真中 結
ABC株式会社

ポイントは、2段落目で I’m writing to you because … と連絡のきっかけを述べ、すぐに a good fit for your business と相手のメリットにつなげていることです。具体的な数字(up to 20%)を1つ入れると、「会えば得られるもの」がイメージしやすくなります。

既存顧客への提案面談

すでに取引のある相手には、関係を踏まえた上で「新しいご提案がある」と切り出します。日ごろの感謝を一言そえると、自然に本題へ入れます。

英語例文
Thank you as always for your continued business.
We’ve developed a new service that we believe could bring real value to your team, and I’d love to introduce it to you.
Would you be available for a short meeting next week to discuss the details?
日本語訳例文
いつもお取引いただき、ありがとうございます。
御社のチームに本当にお役立ていただけると考える新しいサービスを開発いたしましたので、ぜひご紹介させていただければと存じます。
詳細についてご相談するため、来週短いお打ち合わせのお時間をいただけますでしょうか。

Thank you as always for your continued business.(いつもお取引ありがとうございます)で始めると、既存の関係を大切にしている姿勢が伝わります。introduce(ご紹介する)を使うことで、追加提案が押し売りではなく「役立つ情報の共有」として届きます。

展示会後の商談依頼

展示会やイベントで名刺交換した相手には、「どこで会ったか」を最初に思い出してもらうのが最優先です。会話の内容に触れると、ぐっと返信率が上がります。

英語例文
It was a pleasure meeting you at the Tokyo Trade Show last week.
Following up on our conversation about your logistics needs, I’d like to arrange a meeting to discuss a potential business opportunity.
Would a short call sometime next week work for you?
日本語訳例文
先週の東京トレードショーでお会いでき、光栄でした。
御社の物流に関するお話を受けまして、商談の機会について、お打ち合わせのお時間をいただければと存じます。
来週のどこかで、短いお電話のお時間はいかがでしょうか。

It was a pleasure meeting you at …(〜でお会いできて光栄でした)で場所を思い出してもらい、Following up on our conversation about …(〜についてのお話を受けまして)で会話の続きだと示すのが定石です。相手は「あの話の続きだ」とすぐ理解でき、商談へスムーズにつなげられます。

商談依頼で使える英語フレーズ

ここでは、メールに差し込めば表現の幅が広がる便利フレーズをまとめます。短文でそのまま使えるものと、フォーマルに格上げしたいときの言い換えに分けて紹介します。

そのまま使える短文フレーズ

  • We believe our products could be a good fit for your business.(弊社製品は御社にお役立ていただけると考えております)
  • We’d love to introduce a solution that could benefit your team.(御社チームに役立つ解決策をご紹介させてください)
  • Would you be open to a short meeting to explore how we might work together?(協業の可能性を探る短い面談は可能でしょうか)
  • I’m happy to work around your schedule.(ご都合に合わせて調整いたします)
  • Even a brief 15-minute call would be greatly appreciated.(15分ほどの短いお電話でも大変ありがたく存じます)

フォーマルにしたいときの表現

役職が上の相手や、格式を重んじる企業には、依頼をさらにやわらげた言い回しが向きます。次のように置き換えると、より丁寧な印象になります。

標準表現フォーマルな言い換え
I’d like to arrange a meeting to …I would be grateful for the opportunity to meet with you to …
Would you be open to a meeting?I was wondering if you might be available for a brief meeting.
Let me know a good time.Please let me know a time that would be most convenient for you.

I would be grateful for the opportunity to …(〜の機会をいただけましたら幸いです)は、へりくだりつつ意欲を示せる万能表現です。ここぞという相手には、この一段上の丁寧さを使い分けましょう。

商談依頼メールでよくある間違い

最後に、日本人がやりがちなNG表現を確認します。商談依頼は「売りたい気持ち」がにじみ出やすく、直訳するとかえって相手を遠ざけてしまいます。次の2点にとくに注意してください。

日本語直訳で不自然になる表現

「弊社の商品を売り込みたい」を直訳すると、相手には露骨な売り込みに聞こえてしまいます。商談メールでは、売り手目線ではなく「一緒に取り組む」という対等な視点で書くのが鉄則です。

× I want to sell our products to you.
「あなたに商品を売りたい」という直球すぎる表現で、読み手は身構えてしまいます。相手のメリットを主語にして、○ We’d like to explore how we might work together.(どのように協業できるか、ご一緒に探れればと思います)と、双方にメリットのある提案として伝えましょう。

「私に会ってください」も、そのまま英語にすると命令のように響きます。相手に選択の余地を残す疑問文に変えるだけで、印象は大きく変わります。

× Please meet me.
Please をつけても、命令文は「会いなさい」と一方的に聞こえます。相手の意向をうかがう形にして、○ Would you be open to a meeting?(お打ち合わせのお時間をいただけますでしょうか)とすると、丁寧で自然な依頼になります。

相手に誤解されないための注意点

もう1つ多いのが、価値を伝えずにいきなり面談だけをお願いしてしまうことです。「なぜあなたに連絡したのか」がないと、相手は会う理由を見いだせず、返信をためらいます。

× I’d like to meet you. Are you free next week?
用件も相手のメリットもないまま日程だけを尋ねると、「なぜ会うのか」が伝わらず後回しにされがちです。○ We believe our products could be a good fit for your business. Would you be open to a short meeting next week? のように、価値を先に示してから面談を打診しましょう。

また、初回のメールであれこれ盛り込みすぎるのも逆効果です。詳細な資料や価格は、面談が決まってから共有すれば十分です。最初の1通は「相手のメリット」と「短い面談のお願い」に絞り、読み手の負担を軽くすることを心がけましょう。

まとめ

商談依頼の英語メールは、「相手にとっての価値を先に示す」ことさえ徹底すれば、押し売りにならず自然に切り出せます。最後に、テンプレートの使い回し方と、あわせて読みたい記事を紹介します。

テンプレートの使い回し方

この記事で紹介した型は、次の4つの部品でできています。場面に合わせて[ ]の中身を差し替えるだけで、どんな商談依頼にも対応できます。

  • きっかけ:I’m writing to you because [連絡した理由].
  • 価値(why you):We believe our products could be a good fit for your business.
  • 提案:We’d love to introduce [提案したい内容].
  • 面談のお願い:Would you be open to a short meeting to explore how we might work together?

新規なら自己紹介から、既存顧客なら感謝の一言から、展示会後なら「お会いできて光栄でした」から書き出せば、あとは同じ型でつながります。一度テンプレートを作っておけば、次からはコピーして[ ]を差し替えるだけで、自信を持って商談を切り出せます。

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商談の前提となる「アポイントの取り方」や、面談前後に送るメールの書き方は、次の記事で詳しく紹介しています。あわせて読むと、商談の一連の流れをスムーズに進められるようになります。