展示会が終わって名刺を並べたものの、「この方には何を送る約束だったか」と手が止まる。フォローアップのメールでは、お礼の言い回しを増やすより、会場で話した製品と、これから届けるものをそろえることが先です。
「どの展示会の、どのブースで、何を話したか」を1文で思い出してもらい、約束した資料や回答を続ける。 相手の返答が必要なら、見積数量など、次に進めるための質問を具体的に書きます。この記事では出展者から来場者へ送る英文を、資料送付・見積準備・回答待ちの3場面で紹介します。
名刺と一緒に、会場での約束を4項目に戻す
会社名と名前だけでは、相手が関心を持った製品も、依頼された内容も分かりません。送信前に会場のメモを読み、次の4点を拾います。
| メモから拾うこと | 記入例 | メールの役割 |
|---|---|---|
| 会った場所・日 | 10月15日、展示会のB12ブース | 誰からの連絡かを思い出してもらう |
| 話した製品・用途 | AX-20センサー、屋外設備での利用 | 関心の対象を取り違えない |
| こちらが約束したこと | 仕様書を送る、使用温度を確認する | 今回届けるものを決める |
| 未確認の点・約束した期日 | 必要数量が未定、技術回答は10月22日まで | 質問と次の連絡時期を決める |
「見積がほしい」と「参考に価格帯を知りたい」は同じではありません。メモが曖昧なら、注文や面談に合意したものとして書かず、何を確認したいのかを聞きます。As agreed(合意したとおり)も、実際に合意した内容だけに使ってください。
以下の展示会名・会社名・製品名・日付は例文用の架空の設定です。送信する文では、会場での会話と実際の添付資料に合わせて差し替えます。
件名は「展示会名+送るもの」で用件を見せる
初めて届くメールで件名がThank youだけだと、相手は誰へのお礼なのかを本文で探すことになります。会場名や製品名に、catalog・quotation・technical questionなど今回の用件を組み合わせます。
| 件名の例 | 用途 |
|---|---|
| AX-20 catalog from Global Parts Expo | 会場で約束したカタログを送る |
| Global Parts Expo follow-up: quantity for your AX-20 quotation | 見積に必要な数量を尋ねる |
| Update on your AX-20 technical question at Global Parts Expo | 技術的な質問の確認状況を伝える |
| AX-20 sample information requested at Global Parts Expo | 依頼されたサンプルの情報を届ける |
サンプルについてのinformationは、発送完了を意味しません。まだ出荷していないのにSample shippedと書く、といった本文とのずれを避けます。件名を決めたら、本文の最初に「誰が、どこで会ったか」を1文足しましょう。
会場で頼まれたものに合わせて、全文を選ぶ
カタログを約束した相手には、該当箇所まで案内する
資料を頼まれた相手へは、添付したことと、会話に関係するページを伝えます。挨拶や資料の受け取りだけで終わった相手に、注文の確認を求める文を足す必要はありません。
Dear [相手の名前],
Thank you for visiting our booth, B12, at Global Parts Expo on October 15. I'm with [会社名], and we spoke about the AX-20 sensor for your outdoor equipment.
As promised, I've attached the AX-20 catalog. The dimensions we discussed are on page 4.
I hope this helps with your initial review. If you have a question about the specifications, please let me know.
Best regards,
[自分の名前]
[相手の名前]様
10月15日にGlobal Parts Expoの弊社ブースB12へお立ち寄りいただき、ありがとうございました。[会社名]の者です。屋外設備にお使いになるAX-20センサーについてお話ししました。
お約束したAX-20のカタログを添付いたします。お話しした寸法は4ページに掲載しています。
初期のご検討に役立ちましたら幸いです。仕様についてご質問がありましたら、お知らせください。
よろしくお願いいたします。
[自分の名前]
As promisedは、会場でカタログを送ると約束した場面に対応しています。「ご検討に役立てば」と書くことで、初期の検討に使う資料だと示し、採用や注文が決まったようには扱っていません。ページ番号は実際の添付版で確かめます。
見積を頼まれていても、未確認の数量は先に聞く
必要な条件がそろっていないなら、仮の数字を確定した見積のように送るより、不足する情報を尋ねます。下の例は、モデルはAX-20と確認できている一方、必要数量がまだ分からない場面です。
Dear [相手の名前],
It was a pleasure speaking with you at our booth, B12, at Global Parts Expo on October 15. We discussed the AX-20 sensor, and you asked us for a quotation.
Could you let me know the quantity you would like us to quote? If this is for a trial order, please specify the trial quantity.
Once I have that information, I'll check the pricing and availability with our team and let you know when we can send the quotation.
Best regards,
[自分の名前]
[相手の名前]様
10月15日にGlobal Parts Expoの弊社ブースB12でお話しでき、うれしく存じます。AX-20センサーについてお話しし、お見積りのご依頼をいただきました。
お見積りをご希望の数量をお知らせいただけますか。試験的なご注文であれば、その数量をご指定ください。
数量が分かりましたら、社内で価格と在庫状況を確認し、いつお見積りをお送りできるかご連絡します。
よろしくお願いいたします。
[自分の名前]
このメールで求める返信は数量だけです。年間の想定数量を知りたいなら、その目的を説明したうえで別に聞きます。試験注文の数量を、年間購入の約束に読み替えないようにしてください。
また、最後の文は「価格と在庫を確認して、見積の送付時期を知らせる」という約束です。まだ分からない納期や値引きを、話を進めるために確定しないようにします。
技術回答が間に合わないときは、質問を復唱して途中連絡する
会場では答えきれず、技術担当へ確認することになった場合もあります。回答を待って何も送らないより、どの質問を確認中か、いつ状況を知らせるかを分けて書けます。約束した期日までに結論が出ない場合は、期日前にそのことを伝えます。
Dear [相手の名前],
Thank you for discussing your application with us at booth B12 at Global Parts Expo on October 15. You asked whether the AX-20 can operate continuously at 70°C.
Our technical team is checking this point. We haven't confirmed suitability for that operating condition yet.
I'll update you by October 22. If we need more time to reach a conclusion, I'll explain what is still being checked and when you can expect the next update.
Best regards,
[自分の名前]
[相手の名前]様
10月15日にGlobal Parts ExpoのB12ブースで、ご用途についてお話しいただき、ありがとうございました。AX-20が70°Cで連続稼働できるかとのご質問をいただきました。
現在、技術担当がこの点を確認しています。その使用条件に適しているかどうかは、まだ確認が取れていません。
10月22日までに状況をご連絡します。結論を出すまでにさらに時間が必要な場合は、何を確認中か、次にいつ状況をお伝えできるかをご説明します。
よろしくお願いいたします。
[自分の名前]
I’ll update you by… は、状況を知らせる約束です。必ずその日までに適合の結論を出す、という意味にはしていません。自分たちが守れる連絡日を入れ、結論が出ていなければそのまま伝えます。
送る日は「48時間以内」より、相手と話した期日を確かめる
会場で「明日、仕様書を送ります」と伝えたなら、その約束を基準にします。期日を決めていなければ、資料と会話の記録が確認できた段階で連絡します。「48時間以内」という日数だけを守ろうとして、違う資料や未確認の回答を送ると、かえって確認が増えてしまいます。
こちらから届けるものと、相手へ尋ねたいことを1通にまとめてよい場面もあります。ただし、質問を後から次々に足す前に、今回の返信で何が決まれば進められるかを考えます。資料送付だけで目的を果たす相手と、見積条件の回答を待つ相手を同じ追客文で扱わないことが大切です。
返信がないときは、必要な回答だけを短く再確認する
カタログを送っただけなら、返事がないことは発注の承諾にも、拒否にもなりません。会場で決めた確認日がある場合はその日を踏まえ、未回答の項目が仕事を止めているときに、何が必要かを再確認します。何日後なら必ず送る、と一律には決めません。
次の例は、数量の回答がないため見積作成を進められない場面です。最初のメールと同じスレッドで送り、まだ必要なら何を知らせてほしいかを1つに絞っています。
I'm following up on my email below about the AX-20 quotation. If you would still like a quote, could you let me know the quantity to use?
If your plans have changed, please feel free to let me know. No order has been placed; we're waiting for the quantity before preparing the quotation.
Best regards,
[自分の名前]
下記のAX-20のお見積りについて、再度ご連絡いたします。引き続きお見積りをご希望でしたら、対象数量をお知らせいただけますか。
ご予定が変わりましたら、どうぞお知らせください。まだご注文をいただいた段階ではなく、お見積りの作成に向けて数量のご連絡をお待ちしています。
よろしくお願いいたします。
[自分の名前]
ここから商談の日時調整へ進む必要が出たら、英語で商談を依頼するメールの例文を使えます。最初のフォローでは、面談を増やすことを急ぐより、まず会場で受けた依頼を正確に引き継ぎましょう。
送信直前に見直すのは、相手の名前、会場で話した製品、添付した版、今回求める返信です。「あのブースで話した件だ」と分かり、約束したものが届く文面なら、相手も次に何をすればよいかを判断しやすくなります。