英語メールの最後に「取り急ぎご連絡まで」と添えたいとき、urgentlyやin a hurryを付け足す必要はありません。短い連絡であることを示したいなら冒頭のA quick note to let you know …、詳しい連絡が後に続くならI’ll send the details …が使えます。
用件が一文で伝わり、そのメールで完了するなら、「取り急ぎ」に当たる言葉を入れずに終えても構いません。まず、その日本語が「短い連絡です」なのか「詳細は後で送ります」なのかを分けると、英文を選びやすくなります。
「取り急ぎ」は、訳さない・冒頭に置く・後送を伝えるから選ぶ
日本語では同じ「取り急ぎ」でも、メールの中で担っている役割は違います。次の表では、受け手に何を知らせたいかで選びます。
| 日本語で言いたいこと | 英語にするときの考え方 | 短い例 |
|---|---|---|
| 取り急ぎご連絡まで | 用件だけで分かれば、そのまま伝える。短さを示すなら冒頭に置く | A quick note to let you know that the room has changed. |
| 取り急ぎお礼まで | 何への感謝かを書けば、お礼として完了できる | Thank you for sending the revised file. |
| 取り急ぎ受領の返信まで | 届いた事実を伝える。内容の確認や承認とは分ける | I’ve received the file. Thank you. |
| 取り急ぎ現状をご報告します | 現時点の状況を示し、未確定部分があれば続ける | Here is a brief update on the review. |
| 取り急ぎ一報です。詳細は追って | 今分かっていることに加え、後で何を送るかを伝える | I’ll send the remaining details by October 8. |
A quick note to let you know …は「短いお知らせです」というメール向けの書き出しです。主語・動詞を含む形にしたければ、I’m writing to let you know …と書けます。初めての相手など、やや改まった調子にしたいときにも使えます。
末尾の「ご連絡まで」を訳すことにこだわらず、用件を伝えたら通常の結辞と署名で閉じます。Best regards,などの結辞そのものに、「取り急ぎ」の意味を足す必要はありません。
quick noteは短い連絡、urgentは急いで対応してほしい用件
quick noteのquickは、このメールを短く送ることに目を向ける言い方です。相手に急いで読んだり返したりしてほしいという要求を、自動的に含むわけではありません。urgentは用件の緊急性を示します。「短い一報なので」という理由だけで件名にURGENTを付けると、受信者に必要以上の対応を促しかねません。
| 書きかけた文 | ずれる点 | 目的に合う言い方 |
|---|---|---|
| I’m writing in a hurry. | 「急いで書いている」という送信者の事情が中心になる | 短い通知ならA quick note to let you know … |
| I urgently thank you. | 感謝を急ぐという不自然なつながりになる | Thank you for your help today. |
| Please reply as soon as possible. | 相手へ早い返信を求める依頼になる | 一報だけなら実際の用件を書く。返信が必要なら期限と用件を明示する |
本当に急ぎの返事が必要なら、Could you confirm by 3 p.m. JST today?(本日、日本時間15時までにご確認いただけますか)など、いつまでに何をしてほしいかを伝えます。これは「取り急ぎ」の英訳ではなく、別の依頼です。replyも、それ自体が失礼な語というわけではありません。相手に求める行動と期限が、実際の必要に合っているかを確認します。
短い通知と、続報のある途中報告をメールで書き分ける
用件が完了する短い通知
打ち合わせの開始時刻は変わらず、会議室だけが変わった場面です。短さへの謝罪を加える代わりに、「変わったこと」と「変わらないこと」を書きます。
Dear [相手の名前],
A quick note to let you know that our October 7 meeting will be in Room B, rather than Room A. The start time is still 10 a.m. JST.
Best regards,
[自分の名前]
[相手の名前] 様
10月7日の打ち合わせは、会議室Aから会議室Bへ変更になりましたので、ご連絡します。開始時刻は変わらず、日本時間10時です。
[自分の名前]
この連絡で必要な情報が揃っているなら、I’ll send more details later.と続報を約束しなくて大丈夫です。短いことと、不完全なことは同じではありません。もっと直接書くなら、冒頭をOur October 7 meeting will be in Room B, rather than Room A.から始めても用件は伝わります。
一部を先に伝え、残りは後で送る報告
図面の確認が途中まで済み、寸法は確認できたものの、材質の欄はまだ確認中の場面です。全体が承認済みだと読まれないよう、確認できた部分を限定します。
Dear [相手の名前],
Here is a brief update on our review of drawing A-17. We have checked the dimensions and have no comments on them. The material specification is still under review.
I will update you on the material specification by October 8, even if the review is not yet complete.
Best regards,
[自分の名前]
[相手の名前] 様
図面A-17について、現在の確認状況をご連絡します。寸法を確認し、この部分へのコメントはありません。材質の仕様については、引き続き確認中です。
確認が完了していない場合も含め、10月8日までに材質の仕様の確認状況をご連絡します。
[自分の名前]
このメールで約束しているのは10月8日までの「状況の連絡」であり、その日までの確認完了ではありません。完了日を約束できるなら、I’ll send our final comments by October 8.(10月8日までに最終コメントを送ります)へ替えられます。文面を短くするために、未確定の予定を確定したように書かないことが大切です。
まだ一つも回答できず、これから社内で確認する場合の文面は、「確認して返信します」の英語メールにまとめています。
「取り急ぎお礼まで」には、続報を足さなくてもよい
お礼の対象がはっきりしていて、それ以上の用件がないなら、一文のお礼で終えられます。「取り急ぎ」を訳すためだけに、後で詳しいお礼を送る約束を作る必要はありません。
so quicklyは、相手が早く送ってくれたことへの感謝です。自分が取り急ぎ書いているという意味ではないので、実際に迅速な対応だった場合に使います。感謝する内容に合う表現を増やしたい場合は、ビジネスのお礼メールの表現で選べます。
受領だけを知らせたい場合も、まず「届いた」と書けば十分です。ただし、受け取ったことと、内容を確認・承認したことは別です。必要な後続連絡を含めた形は、受領確認メールの例文を使ってください。
送る前には、短さを補う言葉より、受信者に必要な情報が残っているかを見ます。変更通知なら変更点、途中報告なら未確定部分、お礼なら感謝する対象。続報が必要なときだけ「何を、いつ連絡するか」を添えれば、日本語の「取り急ぎ」を無理に一語へ置き換えずに書けます。