
英語メールの署名部分ってどう書けばいいんだろう?先輩教えてください!
ビジネス英語メールの署名は一度作れば変更する必要はほとんどない部分だ。
会社で決まったフォーマットがある場合もあるが、ちょっとした工夫を加えることで取引先とのスムーズな関係を構築することにつながる。あまり知られていないことなので割と意識できていない人も多く。差がつきやすいポイントだ。
ビジネスでプラスの影響を与える署名の書き方を解説するよ。
署名の例が見たい場合は目次からチェックできる。
署名の前の英語メールの結びのフレーズも合わせてチェックしておくといいよ。
英語メールの署名の書き方
英語の署名の書き方には、
- 署名の項目の順番
- 各項目で大事なポイント
- 署名の実例
この順番で説明するね。
英語メールの署名の順番
英語メールの署名の順番は、次の通りだよ。
- 名前
- 役職
- 所属部署や所属課
- 会社名
- 会社の住所
- Eメールアドレス
- 電話番号・FAX番号
- WebサイトURL
- 会社のロゴ(画像)
- 必要な場合はお知らせ
主に違う点は次の2点だ。
名前、役職、部署、会社名までの順番が逆
英語メールの署名の順番の特徴として、名前、役職、部署、会社名までが日本語の署名の逆の順番と理解すればOKだよ。
特定できる狭い範囲から書くのは、英語の言語的な特性だね。
会社のロゴのイメージ画像を入れるのが一般的
そして日本のメールではあまり一般的とまでは言えないけど、英語のビジネスメールでスタンダードになっている場合が多いのが、9番目の会社のロゴだよ。
会社のロゴイメージをいれるんですか?
そうだね。会社のロゴはイメージ画像を入れていない海外企業ももちろんあるけれど、個人的な経験では7割程度の会社が会社のロゴをメールの署名に含めている。
その辺りの説明も含めて、それぞれの項目を少し詳しく説明しよう。
署名の「名前」の書き方
署名部分の一番始めに書くのが、名前だ。
例えば、山田えい子さんだとしよう。
その場合、次のように書く。
- Yamada Eiko (Ms.)
- YAMADA Eiko (Ms.)
- Yamada, Eiko (Ms.)
- Eiko Yamada (Ms.)
最新の政府の動向も含めて4点ポイントがあるので解説しよう。
姓と名の順番は姓-名が推奨されている
日本の文化庁の姓名のローマ字表記についての考え方によって、2019年最近正式に発表されたのが、ローマ字表記、つまり英語で名前を伝える際の「姓と名の順番」だ。
文化庁は、英語の名前の表記のときも日本語の順番と同じになる「姓-名」を推奨している。上の例でいうと、
「Eiko Yamada」ではなく、「Yamada Eiko」と名乗ろうねという意味だ。
政府はすでに「姓-名」の順番に統一する方向に向かっていて、民間の私たちも「姓-名」の順番で使うことを推奨されている。
え!?わたしは確か、名前が最初になる「名-姓」で書くように教わりました!
そうだね、2019年最近の発表だから知らなくても無理はない。
昔は海外の名前がほとんど名前が先にくる「名-姓」だったため、グローバル化を目指す意味で「名-姓」が日本でも推奨されていたし、学校教育でもそのように教わった。
でも言語や文化を尊重する流れから、日本語本来の語順で紹介する流れに変わったんだ。
そうなんですね!では、「名-姓」で名乗らない方がいいんですか?
いや、そういうわけではない。「名-姓」を使ってもOKだよ。文化庁も「姓-名」の順番を「推奨」し、その順番で名乗ることを「希望」しているだけなので強制ではないんだ。
実際に見かけるのは圧倒的に従来通りの「名-姓」の順番だから、今は好きな方でOKだよ。
ただ、子供たちが成長するにつれて、時代は確実に「姓-名」の順番になっていくよ。特にこだわりがなければ署名は「姓-名」にするのがおススメだ。
苗字を大文字にして姓と名をハッキリさせる
姓と名をハッキリさせるのに有効な手段が、姓を全て大文字で表記するという方法だ。アメリカや英語ネイティブの国では「姓,名」というように姓を先に書いた場合、コンマを入れる方法が知られている。つまり、
- YAMADA Eiko (Ms.)
- Yamada, Eiko (Ms.)
姓を全て大文字で書くのは一般的ではないという主張もあるのは事実だ。たとえば、内藤由美子著:「英文メールの基本」という本でも「大文字=苗字という意識はネイティブにはありません」と書かれている。
ネットでもLAST NAME first name [capitals = lastname?]というサイトを見れば賛否両論あることがわかる。
たしかに、ネイティブにとって名前=First nameは"First"にあることが当たり前のため、大文字小文字はあまり認識されていない。
実体験からすると、たとえばITUなどの国際規模の機関や医学雑誌などは、姓を全て大文字で表記するという方法で名刺やEメールの署名を作成しているケースが多い。その一方ビジネスの小中規模程度の会社の場合は、姓を全て大文字で表記している署名は少ない。
ノンネイティブの間では姓を全て大文字で表記するという方法は割と知られているので、相手との関係を考えて必要に応じて使い分けるといいね。
姓と名をハッキリさせることは外国人との英語メールをする場合において親切ではある。なぜなら、親しさを示す場合は「名前」で呼び合い、距離を取りたい場合は「姓」で呼び合う習慣がある。
このあたりは、ビジネス英語メールの宛先は毎回DearでOK?で説明している。
そうなんですね。でも、姓と名って見たらなんとなくわかるような気が・・・
それは日本人同士だからわかるだけだよ。日本人の名前に不慣れな外国人からすると、日本人の名前は「姓」なのか「名」なのか判断ができないんだ。特に、上で紹介した名前の英語表記の変更の件もあって、「姓」を先に書く人もいれば、「名」を先に書く人もいるからね。
よく親しくなったのに、苗字を呼び捨てにされている日本人をみかけることがあるけど、あれはよくない。海外の取引先は名前で呼びたいのに、誤解して苗字を呼び捨てにしてしまっているという場合がほとんどだからだ。
それは勘違いさせちゃってて、知らない恥をかかされている海外の取引先さんに失礼ですね・・・
「Eiko Yamada」というように、姓を大文字で表記しなくても間違いではない。ただ、上で紹介したような誤解をなくすためにも、初めてメールする場合や初対面の人とのメールであれば、姓を全て大文字表記した方が親切だね。
男性や女性かをハッキリさせる
性別をハッキリさせるということも、英語メールでは意外と重要なことなんだ。
あ、男性だと「Mr.」、女性だと「Ms.」をつけないといけないからですね!
その通り!そこでとても有効的でさり気なく相手に性別を伝える方法がある。
え!どうすればいいんでしょうか?
名前の最後にYAMADA Eiko (性別)というように、性別を書いてあげるといいんだ。例えば次の通りだ。
- 女性の場合:YAMADA Eiko (Ms.)
- 男性の場合:YAMADA Yaro (Mr.)
女性の敬称には、Ms/Miss/Mrsと3種類あるから、どれにすればよいかわからない場合は、英語メールで女性が宛先の場合を参考にしてみてほしい。
名前は目立つようにフォントカラーを変える
これは必須ではないけれど、名前は一番重要な要素なので、フォントカラーを変更して目立たせるといい。
- YAMADA Eiko (Ms.)
こんな感じだ。
これは好みによるので、別にしなくてもよいが、営業という立場であれば相手に覚えてもらうというマーケティングの意味においても有効だよ。
署名の「役職」の書き方
役職は例えば、部長とか課長とかのことだね。
- 社長=President
- 取締役・役員=Director
- 部長=General Manager/Chief Director
- 課長=Manager/Section Chief
とかだね。
この役職の英語については、別の記事で説明するよ。
署名の「部署」の書き方
部署は例えば、営業部とか購買部とかのことだね。
- 営業部=Sales Department
- 購買部=Purchase Department
- 資材調達部=Procurement Department
- 経理部=General Accounting Department
といった具合だね。
この部署の英語については、別の記事で説明するよ。
署名の「会社名」の書き方
ここは、会社で決まっている英語表記を記載しよう。
株式会社という英語にはいくつかあるので、まだ会社で英語表記を決定していない場合は、別の記事で説明するよ。
署名の「住所」の書き方
住所の英語の言語としての順番と同じく、特定できる一番狭い範囲から、徐々に大きくなる順番(番地・号→字→市区町村→都道府県→郵便番号→国)に書いていく。
たとえば、
郵便番号:999-9999
住所:東京都品川区東品川〇〇1-2-3
なら、
1-2-3 〇〇, Higashi-shinagawa, Shinagawa-ku, Tokyo 999-9999, Japan
(番地・号→字→市区町村→都道府県→郵便番号→国)
と書くのが正解だ。
署名の「電話番号・FAX番号」の書き方
FAXは鉄鋼業界など伝統的な業界ではまだまだ利用されている通信手段だ。
しかし、最近の企業ではメールで代替されている場合が多いので、業界や取引先によってFAX番号の記載の必要性を考えよう。
電話番号の書き方
国際電話を想定する必要があるため、次のように書く。
電話番号が 03-9999-9999の場合
Tel: +81-3-9999-9999
行頭はTel:が一般的だが、他にも次のような表現も一般的だよ。
- Desk: (固定電話の電話番号)
- Main: (固定電話の電話番号)
- Direct: (固定電話の電話番号もしくは携帯電話番号)
- Direct Dial: (固定電話の電話番号もしくは携帯電話番号)
- Cell: (携帯電話番号)
「Desk」や「Main」は代表番号でもOKです。
日本の国番号は81。東京23区(市外局番03)なら、最初の「0」をとって「3」だけになる。
大阪なら、市外局番06なので、最初の「0」をとって「6」だけになるね。
FAX番号を併記する場合は、
Tel: +81-3-9999-999X/Fax: +81-3-9999-999X
となる。
内線番号の書き方
社内の他部署に海外の人がいる場合、内線電話で英語を使うことも多い。その場合は、内線も併記しておくと便利だ。
例
Tel: +81-3-9999-9999(ex.999)
「ex.」は、Extentionの略で、内線番号のことだよ。
ビジネスチャットを利用している場合
最近なら、スカイプ(Skype)やチャットワーク(Chatwork)とスラック(Slack)、ラインワークス(LINE WORKS)といったビジネスチャットを利用している場合も多い.特にIT業界であれば、記入しておこう。
行頭は次の通りでOKだよ。
- Skype:
- Chatwork:
- Slack:
- LINE WORKS:
電話番号を載せないというのを一つの手段
電話番号は記載する方が望ましいのだが、もし英語の電話に自信がないのであれば、電話番号をあえて書かないというのも一つの手段ということを知っておこう。
会社のホームページを調べられると電話は掛けられるのだが、署名に電話番号を書かないことに加えて、メールのレスポンスを普段から素早くすることで国際電話の回数を減らすことは可能だ。
署名の「WebサイトURL」の書き方
ウェブサイトURLの書き方は日本語メールと同じだよ。
ただし、Home page"「ホームページ」とは言わない。
次の文言のあとに、自社のURLを記入しよう。
- URL:
- Website:
- Webpage:
- Visit us at:
などが使われる。
好きなものを使えばOKだ。
最後の「Visit us at:」なんかは海外営業なら特に使いたい文言だね。
署名の「Eメールアドレス」の書き方
電子メールアドレスの書き方は日本語と同じだ。行頭に E-mail:とすればOKだよ。
例:E-mail:~~~@~~~.co.jp
※ mail は「郵便」「郵便物」を指す言葉だ。E-mail:のEが抜けて勘違いされることなんかないけれども、「E-mail:」が正しいということを理解しておこう。
署名の「会社ロゴ」について
会社の画像イメージのロゴをメールの署名に入れるのが、海外ではスタンダードなんだ。
日本の企業では入れていない場合も多いけどね。
イメージ画像はHTML形式でメールを送信しないと届かないので、ケースバイケースでOKだ。
署名の最後に「お知らせ」を書く
署名の会社ロゴの後に、「お知らせ」を入れておくとスマートだよ。
「お知らせ」というのは、例えば、次のような連絡を見るね。
- 会社の休業日の連絡
- 会社が長く繁栄していることを示すアピール文言
- 免責事項
会社の休業日の連絡
これは、夏休みや冬休み、ゴールデンウィークや年末年始といったまとまった休みがある場合、事前に署名に含めておくと取引先も認識しやすくなってお互いスムーズな取引ができるようになる。
特に営業なら上手に利用したいところだね。
会社が長く繁栄していることを示すアピール文言
これは継続している長い歴史のある会社であることは、やはり素晴らしいことなんだ。
休みなど特に書くことがなくて、信頼できる会社であることをアピールしたい場合、次のような文言を署名に書いておくのがおススメだ。
- Celebra